北京オリンピックの競技スタジアムは全部で37あります。それぞれ特徴があり、その施設にまつわる面白い話もあります。「スタジアムビュー」、北京オリンピックスタジアムをパノラマ的に見て行きましょう。
今日、一番先にご案内するのは、北京オリンピックのソフトボール競技が行われるスタジアム、豊台ソフトボール場です。豊かに台所の台と書きます。これは北京オリンピックの競技場の中で、最初に完成し、公式戦が最初に行なわれ競技場でした。さあ、ご一緒にどうぞ!
北京市の中心部、天安門広場から出発しましょう。豊台は北京のひとつの区の名前で、北京市の南西部にあります。天安門広場から一番アクセスしやすい方法は、まず地下鉄に乗ります。天安門広場の近くには二つの駅があるので、天安門広場東駅か天安門広場西駅から地下鉄一号線に乗って、西単や復興門方向に向い、五カ松駅で降りてください。その後はタクシーに乗って、四環路に乗り、豊北橋、豊かに北と書きますが、そのインターチェンジを降りたらすぐの所にあります。20日からパラリンピック閉幕まで、北京ではほとんどの道路にオリンピック専用車線が設置されるとともに、奇数番号と偶数番号を一日おきに規制する事によって、半分の車をカットする交通規制も実施されます。このため、順調に走ることが出来ると思いますので、天安門広場からタクシーに乗ったとしても、30分もかからないと思います。
さて、目的地に着きました。皆さんがごらんになるこの豊台ソフトボール場は、2005年の7月に着工され、総面積1万5000平方キロあまりで、13000人の観客を収容できます。その主な施設は、メインの球場、予備球場、それに練習場二つなどです。このソフトボール場の建設は一年ぐらいで終わり、翌年の2006年7月に完成しました。
完成後すぐ、2006年8月に、豊台ソフトボール場では、第11回ソフトボール女子世界選手権が開催されました。これは北京オリンピック北京地区の初のテスト試合でもありました。世界選手権開催期間中、ソフトボール場の施設は、国際ソフトボール連盟および、競技選手、監督、審判員などから高い評価を受けました。国際ソフトボール連盟のポーター会長は、「豊台ソフトボール場はソフトボール史上最高の競技場であろう」と高く評価し、これをアジアのソフトボールトレーニングセンターにすることを提案しました。
では、このソフトボール場が、なぜそんなに高い評価を受けたのでしょうか。その設備上のポイントをご紹介しましょう。まず、走者が走る走塁ゾーンを見てください。赤い土で作られたグラウンドになっていますね。あまり粘り気がなくあまり硬くもなく、ある程度の摩擦力を確保するにはこの赤土が良いそうです。豊台ソフトボール場では、練習場の赤い土は200万元もかかって、中国の南方から運ばれたものです。メイン球場のものは全部海外から運び込まれたものです。
グランドの土にはお金を掛けましたが、もちろん、節約すべきところはちゃんと節約していますよ。ソフトボール場で使用されている照明器具や便器、洗面台などはすべて省エネ型製品です。お湯も太陽エネルギー電池を使って供給します。その結果、エネルギー消費が大いに削減できるのです。
それから、ソフトボール場の芝生の下には、「強力吸水装置」も設置されているそうですよ。この装置は三層の構造となっています。まず、グラウンドの一番下に大きな玉石(たまいし)を敷き、その上に、荒い砂や小石を撒き、さらに細い砂を敷いて、芝生を植えます。このような構造にすることによって、雨が降った場合、雨水(あまみず)はすぐに地下に浸透し、敷設されたパイプを通って近くにある回収タンクに流れ込みます。グラウンドには水溜りが出来ないため、雨が上がれば一時間後には再び使用出来るということです。また、回収された水は、トイレに使ったり、植物にかけたり、再利用できるんです。
こんなすばらしいスタジアムで行われるソフトボールのプレー、楽しみですね。
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