中国政府の関連政策の影響で、今年の第一四半期、中国は石炭の純輸出国から純輸入国になりました。中国国家発展改革委員会が5月末に発表したところによりますと、石炭の輸出を規制し輸入を奨励する制度が効果をあげ、2006年以降に現れた石炭輸出の減少傾向が続いています。去年の1月から3月までの期間の石炭の輸出は、輸入を789万トン上回りましたが、今年の同じ期間には、逆に輸入が輸出を289万トン上回りました。
また同じ第一四半期の輸出入総額は4577億4000万ドルに達し、貿易黒字が464億4000万ドルとなって、昨年よりほぼ倍増しました。石炭、原油、銅、アルミニウムなどの輸入量が大幅に増えたにもかかわらず、全体的に輸出量が大幅に伸び、貿易黒字は引き続き拡大したということです。
中国は世界最大の石炭の生産国として、1990年代から石炭の輸出量が大幅に増えました。国家統計局によると、1995年、中国の石炭の輸出量は輸入を2698万トン上回り、2003年には8293万トンも上回りました。ここ数年、政府はエネルギー消費量が高く、汚染がひどいエネルギー製品の輸出を厳しく規制し、輸入を奨励する政策を実行しました。石炭の輸出入について政府は、石炭輸入税を引き下げると同時に、輸出の税金払い戻し政策を取り消し、輸出税を課税するといった政策を導入しました。
中国石炭運送販売協会の責任者によりますと、第一四半期の輸入量が輸出を上まわったのは、主として、南部の広東、広西の地域的要素が大きかったということです。この二つの地区は陶磁器や建築材料を作る上で、石炭が大量に必要なものの、内陸部から輸送する場合はコストが高いため、輸入石炭を使ったほうが割安になるということです。関係者はさらに、「中国は石炭の過度な採掘を防ぎ、エネルギー使用における石炭の占める割合を低くし、クリーンな石炭技術を推し進め、石炭使用による環境汚染や環境破壊を防いでいきたい。これが、政府が石炭輸出を奨励する主な原因でもある」と見ています。
なお、現在、国内の石炭の需給はほぼバランスが取れているものの、今年の石炭市場は相変わらず内需をメインにし、輸入を奨励する方針がとられています。(『新京報』より、整理:Yan)
|