中国国家環境保護総局は3月、北京で、「中日合同ダイオキシン監視測定能力強化モデルプロジェクト」の成果に関する報告会を開きました。国家環境保護総局のPOPs(ポップス)条約すなわち(「残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約」履行弁公室の羅高来副主任はその席上挨拶し、日本の関係がこれまで中国の環境保護事業に払ってきた支持と協力に感謝の意を表しました。
羅高来副主任によりますと、「2004年6月25日全国人民代表大会がストックホルム条約加入を正式に批准して以来、中国は条約を履行することに多大な努力を払い、多くの活動を展開し、大きな進展を遂げた。しかし、POPsの排出削減や抑制活動は初歩的な段階にあり、既存の残留性有機汚染物質を削減すると同時に新たな残留性有機汚染物質を予防するという二重のチャレンジに直面しており、相当の困難と障害が存在している。従って、この面で先進的な技術や管理経験を持つ国際社会の援助と支持が必要だ」ということです。
2004年7月、日本新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と中国国家環境保護総局ストックホルム条約履行弁公室は北京で合同で、残留性有機汚染物質(POPs)削減のためのシンポジウムを開催し、POPsの削減と抑制に関して直面している問題について討議しました。その結果、中国が排出段階や大気中におけるダイオキシンへを監視測定する能力を強化するため、中国国家環境保護総局対外協力センターと日本新エネルギー・産業技術総合開発機構は、家庭ごみを燃やす時やPCB・ポリ塩化ビフェニールの最終処理過程で生じる廃棄ガス、それに大気中のダイオキシン類に対する監視測定技術の研究について、共同作業を行うことを決めました。
この共同プロジェクトが2004年11月からスタートして以来、シンポジウムや日本での研修、実験室の建設、中国国内での現場サンプリングなどの活動が行われました。その結果、中国の技術者は、日本がPOPsを抑制し削減する過程で経験した苦労や教訓を理解し、中国で精度の高いサンプリングやデータのコントロール方法を確立することに貴重な資料を得ることができました。そして中国に適した迅速で簡単、かつ低コストの分析方法を考案し、3つのモデル実験室の設備のレベルや分析監視能力を高めた他、モデル実験室の技術者を15人近く養成して中国の条約履行能力を大いに向上させました。
プロジェクトの実施協定に基づいて、中日共同プロジェクトは2006年3月末に終了しますが、羅高来副主任は、このプロジェクトで得た成果が、より多くの国内の関係者に理解され、ダイオキシンの削減と抑制の実際活動の中で充分に活用されるよう希望しています。同時に、「中国がストックホルム条約を履行するまでには更にチャレンジをしなければならない。中国は国内での活動を強化すると同時に、日本政府や各研究機構との間でより緊密で広範囲の交流と協力を展開し、中国の残留性有機汚染物質削減条約の履行を進展させていきたい」と強調しました。
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