江蘇省無錫市の政府はこのほど、江蘇省で率先して「いくらかゆとりのある社会」の構築を完成したことを宣言しました。経済発展や、人民の生活レベル、社会発展、生態環境を示す25項目の指標のうち、無錫市は23項目で国の定めた基準に達したということです。
25項目の基準の中に、住民の生活レベルを示すものが10項目あります。無錫市では市民の一人当たりの年間の可処分所得は、前年より17.8%伸びて1万6005元になりました。また、農家の一人当たりの年収は前の年より12.5%伸びて8004元に、そして、都市部住民の百世帯当たりのパソコン保有量は前年より12台多い47.6台になっています。これらのデータはいずれも無錫市民の生活レベルの向上を物語っています。
それでは無錫の農村部の人々はどんな暮らしをしているでしょうか。無錫市錫山県はもともと、全国でもよく名を知られる県でした。ここは、農村部の企業が最も早く開発されたところで、1990年代に、6年連続して全国の大きい県ベスト百に選ばれたことがあります。
現在、元の錫山県はすでに錫山区に名を変えており、現地の都市部と農村部で同様の養老保険制度が実施されています。
今年60になる朱星媛さんは錫山区鵞湖鎮の農家で、日本の年金証のような「農家基本養老金受け取り証明書」と預金通帳を持って、毎月、55元の養老金をもらいます。これまでは子供に頼っていましたが、いまでは養老金がありますから、今後は安心したと朱さんは言います。
錫山区で、農家向けの基本養老保険制度は去年10月1日にスタートしたもので、60になる男性と55になる女性はだれでも政府から毎月55元の養老金をもらえるものです。金額はそれほど多くありませんが、生活が保障されるようになったことが喜ばれています。
これについて錫山区労働社会保障局の呉健芳副局長は「養老金の資金調達は区、鎮、村の三者で行い、区の財政部門は専門の口座を設けて資金を預け、専門の事務所が毎月人々に配るようにしている」と述べました。
地元政府はまた、年平均5%の割合で養老金を増やし、農家の人々がだれでも経済成長の利益を受けられるようにしています。
これについて、錫山区の周文棟副区長は「これまでの社会保障システムは、年配の農家の人々をシステム内に組み込められなかった。養老金はそれほど多くはないが、こうした人々にとって基本的な保障である。したがって、養老システム全体にとってすべての人々をカバーしたネットワークだ。養老金は今後、農家の収入増加と財政力の向上に伴って次第に上がることだろう」と述べました。
錫山区では農家の人々に対する保障システムの整備は、行政の活動の重要な一環とされてきました。現地では、およそ8万人の農家が従業員養老保険に加入していて、こうした人々は都市部の従業員と同じように、定年退職後年金がもらえます。
土地を失った農家の人々に対しては、地元政府は「土地が農民を保障する」という政策を実施し、農家の基本的な生活を保障しています。
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