今度は少数民族コーラオ族のお話です。
ところで、コーラオ族は、人口約44万人。主に貴州省の一部地方に居住し、少数は雲南省や広西チワン族自治区にも集まり住んでいます。
では参りましょう、コーラオ族のお話「虫食い祭り」です。
「虫食い祭り」
むかし、むかし、おおむかし。コーラオ山のふもとでは虫の害が起き、稲が荒らされた。しかし、みんなはどうすることも出来ないでいた。これはいかんと、長老たちが集まって相談したところ、うまい考えが浮かばない。そしてついに虫を退治したものには、誰であろうと、褒美として好きなものを与えるということになった。
こうして村の広場の柱に貼った、そのことを書いた紙を最初にはがしたのは、なんと雄鶏であった。、
「おれは、一番早く起きて悪い虫を退治することが出来る」とおんどりは胸を張って言ったが、翌日早く田んぼに来たところ、虫は数匹しか殺すことが出来ず、なんと体中がびしょぬれになり、風邪を引いてしまい、くしゃみしながら戻ってきた。
次に名乗り出たのはカモで、「おいらの体は濡れても大丈夫。それに口が大きいから、虫退治は任しておきな」と勇ましく出かけた。しかし、カモは水の上にいるだけで、虫は稲穂の上。これでは首を長く伸ばしても届かないのでどうにもならなかった。
そこで一人の術使いがいう。
「わしが術を使って退治してやる」と田んぼに向かったが、虫どもには呪文がわからないので効き目がなく、やっぱり駄目だった。
こうして苦労してやっと出来た稲はめちゃくちゃにされそうになった。これを見てみんながあせっているばかり。
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