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(六)「彪と虎」
   2007-08-28 14:15:57    cri

 今度は「国史補」から「彪と虎」です。

 「彪と虎」 

 斐旻(ヒビン)は竜華の軍事長官で、北平の守りについていた。彼は弓が得意で、その大力をたよりに、これまで一日に三十頭あまりのトラを射殺したという。

 ある日、斐旻がこの日も多くのトラを射殺し、ふもとで酒をくらい、いい気でいると、一人の爺さんが現れ、相手が長官だというのに、立ったままでいう。

 「もしもし。長官さまよ。あんたが射殺したのは、小さいトラで実は彪という奴さ」

 「なんじゃと?」

 これに斐旻は驚いた。

 「あんたが本当の虎に出くわせば、そう簡単に射殺せるはずはない」

 「何だ、じじい!何をぬかしやがる!」

 「まあ、そう、いきり立つこともあるまい」

 「うそつけ!このわしを侮る気か!」

 「いや、いや。そうではござらん。わしはただ、あんたが物を知らずに威張っておるから、わざわざここまで来たんじゃ」

 「おのれ!ふざけたじじいだ!」と斐旻が弓を手にしたところ

 「ははは!そのうちにわかる!あ、言っておくが、本当の虎はここから北三十里の山におるよ」と爺さんは言い残し、ふと消えてしまった。

 こちら、怒った斐旻は、その足で部下を率いてかのじいさまの言うとおり、北へ三十里行ったところにある山に来た。

 「あのくそじじいめ。長官であるわしを馬鹿にしおって!」とぶりぶり怒りながら、弓矢を手に山に入っていく。やがて岩山が見えるところに来たが、そこで一休みと、ひょうたんに詰めてある酒をのんでいると、急に風が出てきて、寒気がした。

 「ど、どうしたことだ?」と部下と共に驚いていると、山の上から一頭の大きな虎がのっそり、のっそりと下りてくるのが見えた。

 「何だ?あれはトラか?これまでのよりもぜんぜん大きいいぞ」

 こんな大きな獣を始めてみる斐旻は、どうしたことか震えだした。と、そのとき、かの虎がものすごい声で吼え、その声は山や谷間に馬鹿でかく響いた。

 これに斐旻は、腰を抜かしてしまい、部下の助けのもとに慌ててその場を逃げ出した。

 それからというもの、斐旻は弓矢を手にすることはなかったという。

 そろそろ時間のようです。来週またお会いいたしましょう。

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