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(六)「キツネの古里」ー6
   2007-07-24 11:30:36    cri

 これを見た屋敷のものたちは、主人らが井戸の中に生き埋めにされたようなので、驚きおののき、私らはどうします?!とあわてて聞く。そこで古里は答えた。

 「今日からこの屋敷の主はお前たちも知っているだろうが、かのざくろ兄さんだ。それがいやというなら、井戸のなかだぞ」

 屋敷の者たちはすぐに跪き、「あなたの言うとおりにいたします。今日から私たちの主はざくろ兄さんです」と口々に答えた。

 そこで古里はかのぼろ小屋に戻り、ざくろ兄さんに立派な服を着せて役人の屋敷に連れてきた。もちろん屋敷の玄関の表札は、元の「賈府」から「石榴王府」に変わっている。

 やがて姫の嫁入りの行列が着いた。

 「ほう、立派なお屋敷でござるな」と老いた召使いの言葉に姫も一安心。そこに立派な服を着たざくろ兄さんが出迎えたので、姫はざくろ兄さんを見てその人柄がすぐにわかりにこっと笑い、こちらざくろ兄さんも美しい姫を見て顔を赤らめた。

 こうして、ざくろ兄さんは古里に言われたとおりに事を運んだので、式はめでたく終わり、姫付きのものを除く宮女や老いた召使いと兵士たちは王宮に戻っていった。

 さて、その日の夜、古里がざくろ兄さん夫婦の部屋に現れ、これで自分の役目は果たしたといって、「兄さんと義姐さん、いつまでもお幸せに」という言葉を残して姿を消してしまった。これに姫は驚いたので、ざくろ兄さんがことのいきさつを細かく話すと、心の優しい姫はこっくりうなずき、自分が騙されたことなどには少しも怒らず、夫であるざくろ兄さんと幸せに暮らしたという。

 もちろん、ざくろ兄さんは、この屋敷の主になってから、以前にかの役人が人々から奪い取った土地やものをすべて持ち主に返したわい!

 そろそろ時間のよです。では、来週またお会いいたしましょう。

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