中国地質博物館は、1916年に最初の基礎ができ、今年7月で90周年を迎えます。中国に数ある博物館の中でも、伝統ある自然博物館です。北京の西四にあり、近くには、広済寺、歴代帝王廟、白塔寺などがあり、とても分かりやすい場所です。
建物は7階建てですが、このうち1ー4階の4500平方メートルが展示スペースで、20万点を超す収蔵品のうち、1割ほどがショーケースに並んでいるとのことです。1階は地球ホール。直径3メートルもあろうかと思われる地球儀がどんと置いてあります。地球の成り立ちや火山、地震についての解説やパネル展示があり、いわば学習コーナーともいえます。
2階にあがると鉱物、岩石の展示ホールです。世界最大といわれる水晶の玉、これは重さが3.5トンもあります。それに、蛍石や方解石の結晶など中国を代表する鉱物標本が並びます。中国のお土産に「玉(ぎょく)」の工芸品がありますが、その原石がこういったものなのでしょう。孔雀石というのも見つけました。孔雀が羽を広げたときのように、赤や緑の鉱物が岩石に自然な形で散りばめられています。
実は中国人は石が大好きです。高価な玉製品がたくさんあります。しかし、信用できない店で買うと贋物をつかまされることがあります。そんな心配をしないためには、この2階の一角にある標本鑑定コーナーがお薦めです。専門家がじっくりと見極めてくれます。
さて、3階は先史時代の生物化石の展示ホールです。世界的に有名な山東竜や中華竜鳥などの恐竜や北京原人の化石、魚類や鳥類、昆虫の化石が見られます。
そして、4階は国土資源展示ホール。中国は石炭を始めとして埋蔵物は多方面に渡っていますが、45種類ほどの分布図などがあり、広大な国の別の一面を見ることができます。
館内を歩いて感じたのは、展示パネルのデジタル化やバーチャル化が進んでいることです。社会教育の重点基地にもなっているので、小学生でもわかるような工夫がこらされているのでしょう。日本人向けのガイドホンも用意されています。今後はインターネットの充実が課題、と館の関係者は言っています。
住所:北京市西四
電話:6655ー7858
入館料:大人30元(月曜休館)
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