雲南省は茶樹の原産地と見られるところであり、また、喫茶も少数民族の起源とみなしてもよいのでしょうか。
喫茶すなわちお茶を飲む習慣や文化は中国少数民族の起源だという説もあります。中国南部の山中には少数民族が数多く生活しており、そこにはお茶の木がある。だから、茶の葉を加工して喫茶したのは少数民族に違いないと言われています。
しかし、片や、そう確定するには論拠がまだ不十分だ、という見解もあります。
茶の葉は生のまま、或いは単に煮て飲料とするのではなく、飲料用にするには加工技術の開発がなければなりません。
少なくとも初めは、摘みとったお茶の葉がしおれてしまわない前に、加熱して発酵を止めなければ飲料用にはできません。ですから、お茶の木が自生する地方でも、すぐ目の前に原料がありながら、利用されないままになっている場合も少なくないのです。
このため、少数民族の生活圏に茶の樹があるからといって、少数民族が喫茶の習慣を始めたとは必ずしもいえないでしょう。
雲南省のハニ族が茶園を営んできたのは、それが漢民族との交易において、有力な商品となることを知ったからではないかとも考えられています。
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