八月十五日、お月見の酒は一家団欒の酒で、楽しい酒です。
月見の宴は秦の始皇帝の頃から始まったという記載がありますが、広く普及したのは唐代から宋代にかけての頃です。その頃から帝王、官僚、詩人、道人、一般庶民に至るまで、中秋に酒を飲み月をめでる風習が盛んであったということです。月見するだけでなく、一家のものが集まり、楽しい一時を過すわけですが、そんな時の酒、あまり拘ることもないようです。こうした雰囲気で飲む酒はちょっと安い酒でもとても美味しく感じるものです。
「酒は雰囲気でうまく成る」といううまいことを言った人がいますが、正にその通りです。十五夜の月見に飲むお酒は一家のものが揃い、肉親同士が互いに相手の幸せを祝い、健康を祝って飲む祝い酒です。
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