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満開の大イトザクラ |
大イトザクラが堂々と田んぼに立っている |
まだまだこの桜を見ていたかったのですが、次の目的地に向けて、再び、車を進めました。次の桜の見所は、同じ北杜市の小淵沢町にある神田大イトザクラです。
神田大イトザクラは、"垂れ桜"で、樹齢は約400年。南アルプス、八ヶ岳を見渡せる田んぼの中に一本だけ堂々と立っています。まだ桜の木が全く見えない場所にもかかわらず、すでに多くの車が止まっていました。坂を上り、大勢の人が一本の木の周りに集まっているのを見つけ、あれが大イトザクラに間違いないと思いました。でも、遠くから見れば「ピンクの雲」が見えず、全く開花の気配がありません。「あれ?!今週末がちょうど満開だと聞いたけど……」と松土さんも首をかしげながら、私たちは大イトザクラに向かいます。
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ピンクの雲 |
南アルプスをバックにする桜並木 |
しかし、近づけば近づくほど、だんだん薄いピンクが浮かんできます。そして真下にやってくると、思わず叫びました。「ああ!満開じゃないか!」。
小さいピンクの花がぎっしりと並んで、少女の美しい弁髪のように風に揺れています。大イトザクラ、そして周りに広がる水仙の畑、まだ頂上が雪に覆われている八ヶ岳、それに青空。それらが織り成す美しさは言葉では言い表せないものです。その大自然がもたらしてくれる感動は、実際にあの場に立ってこそ、実感できると思いました。
日本人が誇りを感ずる花、桜。今、その美しさは、私の心の隅々まで染めています。(文章と写真:胡徳勝) 1 2
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