トンネルをすごすと、雪国になったーー
中国の南の深せんからの私たちはその真っ白な世界が目に入ったら、なんとなくいらいらし始めた。ただ、少しの雪が積もっていても、ぜんぜん雪を見たことがない私たちにとって、まるで心の深くにある童話の世界が真実になった気がした。
北のほうへ行けばいくほど、だんだん雪も多くなった。何時間も過ごしたあと、やっと飯山に着いたーー
飯山市第一中学校の友達たちはもうみんな市役所の前に待っていた。屋根の上にも、道上にも、大変多くの雪が積もっていて、とても感心した。そのとき、雪も一緒に降って、ロマンチックな気分だった。
楽しい日本の学校生活はすぐ過ぎた。こんばんはみんなも楽しみにしているホームステイだった。私のホストファミリーの相手は山崎啓史という男の子だった。女の子なのに、男の子の内に配られて、ちょっと心細くなってしまった。でも、親切なお父さんとかわいいお母さんとあったら、すぐ安心になった。
「ただいま」と言って、私は始めてこの日本人の生活している所に入った。とても派手な二階の部屋だった。中には和室もあるし、洋室もあった。荷物を置いたばかりの私は、まだスリッパーをはかないままで、突然あるとても怖いまっくろな犬が飛んでくるーー犬が大嫌いな私はびっくりしちゃって、お母さんの後ろに避けていた。
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