北京
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中国国務院新聞弁公室が28日、白書「中国と世界貿易機構」を発表しました。中国がWTOに加盟して17年、加盟時の約束事項を着実に履行し、多国間貿易体制を断固支持し、世界に果たした貢献が系統的に説明されており、より高いレベルでの対外開放の推進に関するビジョンや行動が示されています。WTO加盟後における中国の貢献をより良く認識し理解するのに役立ち、またWTOを軸とした多国間貿易体制を中国が強く支持する理由を知ることにつながるものです。
WTO加盟から17年、中国は貨物やサービスの貿易、知的財産権の保護という加盟時の約束事項について、中央や地方政府の法体系を大幅に整理してきました。その数は、中央政府では2300件あまり、地方政府は19万件あまりに達しています。同時に、規範性文書の法令順守に関する審査体制を整えました。また、輸入関税を大幅に引き下げ、サービス市場を幅広く開放し、知的財産権の保護を強化するなどの取り組みを行いました。約束事項は2010年8月にすべて完了しています。
白書によりますと、貨物への関税は2001年の15.3%から8年前の2010年に9.8%まで削減されています。商務部の報道官が今年3月に指摘した通り、貿易構造を考慮すると、中国の加重平均での実質税率はわずか4.4%であり、アメリカの2.4%、欧州連合(EU)の3%、オーストラリアの4%などと大差ないものになります。
WTO加盟時の約束履行を疑問視する世界の声も聞かれますが、大部分の加盟国は中国の成果を認めており、WTOのパスカル・ラミー元事務局長は中国に「A+」という高評価を与えています。
ラミー元事務局長は、「中国の輸出のみを見ている人が多いが、中国は輸入大国でもある。2000年における輸出量は世界7番目、輸入量は8番目であったが、17年を経た現在は輸出が世界最大、輸入は世界2番目となっている。中国は、世界第2の経済大国で貿易量は世界最大、そして外資の導入が世界最大で、対外投資が世界2番目である。開放により高度成長を果たし、また世界経済の回復や成長へ重要な貢献を果たしている」と述べています。
世界経済の成長に対する中国の平均貢献率は2002年以降、年平均で30%近く達し、その勢いを今も維持しており、経済成長への正真正銘のポジティブなエネルギーかつ動力源となりました。「メイド・イン・チャイナ」は、全世界のバリューチェーンにチャンスと価値をもたらし、全世界の市場を大変に鼓舞するものとなりました。120の国と地域をパートナーとし、貨物輸入額の年平均成長率は世界平均の6.9%を上回る13.5%となっています。また、2017年の中国の観光出国者数は1億3000万人で、海外での消費額は1152億9000万ドルに達しました。各国にビジネスチャンスをもたらし、地元の雇用増を招いたほか、貧困撲滅での世界への貢献率もトップに立っています。
世界貿易機関(WTO)を軸とする多国間貿易体制は国際貿易の基盤であり、世界的な貿易の発展や開放的な世界経済の構築をする上で中心的な役割を果たしています。メンバーが164に達し、貿易総額が全世界の98%を占めるWTOは「効力を失う」といった懸念や論争の声に包まれており、中でも反グローバル化の台頭、保護貿易主義の高まり、多国間体制の弱体化などを背景に、WTOを無視して貿易摩擦を引き起こす事例も発生しています。
このような歴史的タイミングで、「中国とWTO」白書は、グローバル化の受益者という視点から、中国の明確なシグナルを発するものです。すなわち、中国は一国主義や保護主義に断固反対し、多国間貿易体制を支持しています。そのため、WTO加盟の発展途上国を対象に、ゼロ関税などの実務的かつ効果的なサポートを提供するほか、「一帯一路」構想や自由貿易協定などの多国間協力体制を通して全世界に公共財を与え、より多くの加盟国と共に利益の共有や共同の繁栄を図っていきます。
中国の開放が拡大するにつれて、世界にチャンスが巡って来るでしょう。各国がWTOのルールを守り、開放的かつ透明で、包容力があり差別のない多国間貿易体制を支持すれば、様々な不確定性に対応し、利益の高度な融合と相互依存の運命共同体を構築できるでしょう。(Yan・洋、森)