アメリカメディアが発表した統計結果によりますと、4日投票が行われたアメリカ大統領選挙は、民主党候補のオバマ上院議員(47)が共和党候補のマケイン上院議員(72)に勝利し、 44代目の大統領に当選しました。専門家は、「オバマ氏の楽勝は、現在のアメリカにとって、変革が人心の赴くところだということを裏付けている」と分析しています。
オバマ氏に投票した有権者は、「アメリカは変わる必要がある。自分もこの変革の力になりたい」と相次いで将来への意気込みを示しています。8月にアメリカの公民になったばかりの新しい移民デクラン・オドノーヴァンさんは、初めてアメリカの選挙に参加したそうです。彼は、オバマ氏が就任後、アメリカに変革の風が吹き、とりわけ、経済情勢が好転できることを期待しました。
世論は、アメリカ大統領選でのオバマ氏の勝利は、「天の時、地の利と人の和」の三条件に恵まれているからだと分析しています。
今日のアメリカにとって、内政と外交はいずれも苦境に陥っています。特に、現在アメリカが直面している金融危機は、民主党候補のオバマ氏が勝利を果たすための基礎となりました。アメリカから始まった金融危機が全世界に蔓延したことによって、ブッシュ政府が実施した自由資本主義の経済モデルは非難されています。これに対して、オバマ氏は経済問題に選挙戦略の焦点を当て、政府の経済関与を拡大し、所得格差を縮小し、みんなで享受する繁栄を作る主張を出すと共に、金融救援計画を打ち出しました。これに対して、共和党候補のマケイン氏は、人心を勝ち取る有力な経済政策を提出することができず、金融危機に晒されているアメリカの有権者を失望させました。
一方、対外政策においては、イラク戦争などの問題で、アメリカ人は共和党の外交政策に不満を感じています。これについて、オバマ氏は、大統領に当選したら、就任後の16ヶ月以内にイラクからアメリカの作戦部隊を撤退すると約束しました。これと同時に、当選後、アフガニスタンへ7000人の軍隊増派計画を実施し、テロ取締りを強化する姿勢を示しました。このほか、オバマ氏はイランやシリア、朝鮮、ベネズエラなどの国の指導者と会談したいと表明しました。こういった柔軟かつアメリカの利益を守る外交政策はアメリカ人の心を惹き付けています。
また、アメリカ有権者構造の変化もオバマ氏の勝利と深いかかわりがあります。総選挙が行われる前に伝えられた情報によりますと、アメリカでは海外からの移民や若い有権者の数が増えています。オバマ氏はこれらの有権者にとって、非常に大きな魅力があります。特に、女性や黒人、スペイン系、若者の中では、オバマ氏の支持者が多いと言われています。
専門家は、オバマ氏が大統領選で勝利したものの、将来約束したことを期限どおりに実現し、アメリカを率いて現在の落ち込みから抜け出すことができるかどうかはまだじっくりと見守る必要があるとしています。
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