中国外務省の秦剛報道官は26日、北京での定例記者会見でアメリカに対し、人権問題で二重基準を行わないよう求めました。

　米ホワイトハウスの関係者は、このほど北京五輪期間中の中国の人権状況を批判しました。これに対し、秦剛報道官は不満の意を表し、「中国政府は、国民の人権の保護と促進に力を入れてきた。人権の促進は、五輪をきっかけに始まったわけでもなく、五輪の閉幕によって終わることもない。人権の保護と促進は、中国の憲法に明確に定められており、中国政府は関連の取り組みを続けていく」と述べました。

　秦剛報道官は、また「北京五輪期間中、一部の外国人が北京で、中国の法律では認められないチベット独立分裂活動を行ったため、関係部門はこれを処理した」と述べた上で、「アメリカは、他国の法律を遵守し、このような事件が2度と起こらないよう自国の国民を教育してほしい」と強調しました。

　秦剛報道官は、さらに「アメリカ国民から愛されていたリンカーン元大統領は、その就任演説で『連邦の分裂は許せない』と述べたことがあった」として、五輪期間中の人権状況について中国を批判したホワイトハウスの関係者に対し「リンカーン元大統領のこの言葉をよく念頭に置いてほしい。そうすれば、中国の政府と国民が国の統一や主権、領土の保全にかける決意や、それに対する努力を理解できるだろう」と述べました。(翻訳：鵬)