北京五輪が熱を帯びていますが、数千キロ離れた中国の四川省では、震災後の復興活動も急ピッチで進んでいます。四川省政府の黄彦蓉副省長は19日北京で、「四川被災地はすでに、正常な社会秩序を取り戻し、社会が安定している」と述べました。
3カ月前、中国西部の四川省でマグニチュード8.0の大地震が発生し、地元に1億元の経済的損失をもたらしました。地震発生後、地元政府は、人の救出や防疫、2次災害の防止および被災者の避難などに積極的に取り組みました。19日に行われた記者会見で、黄彦蓉副省長は、これらの成績を「いくつかの戦いに勝った」と喩えています。「人の救出、救援物資を運ぶ道路の修繕、防疫、2次災害の防止、被災地住民の避難、私たちはこれらの戦いに勝った。現在、被災地は、正常な社会秩序を取り戻し、社会が安定している」と述べました。
四川省の復興活動を支援するため、中国の18の省や市は、四川省の18の被災状況が深刻な県と市に1対1の支援を提供しています。現在、この支援プロジェクトは、初歩的な成果をあげました。震災救援に努めると同時に、地元は、生産の再開に積極的に取り組んでいます。これについて、黄彦蓉副省長は「8月12日までに、被災した大規模な工業企業の93.4%が生産を再開した。農業も引き続き、良好な発展ぶりを保っている。被災地の商業施設の92%が営業を再開した」と語りました。
被災地の復興活動の中で、四川省は一貫して、被災地住民の避難と住宅問題を最優先してきました。地震発生後3カ月も経たないうちに、四川被災地の440万世帯の家庭、1千万人余りの住民が地元の仮設住宅に入居しました。
このほど、四川省は農村の恒久住宅の建設に着手しました。今月12日まで、四川省の農村恒久住宅の建設は19万世帯に達し、およそ2万世帯が完成しました。これと同時に、都市部の住宅の再建もまもなくスタートするということです。
また、四川省の観光業の発展もほぼ地震発生以前の水準に回復し、国内ばかりでなく、海外からの観光客誘致も進められています。四川省観光局の張谷局長の話です。
「観光業の震災後再建計画を完成した。あわせて300あまりのプロジェクトを立ち上げ、投資総額は800億元を超え、そのうち、政府の投資が30%を占めている。これらの投資は、観光地やホテル、レストラン、インフラ、道路など震災発生地域の有形資産の再建に用いられる」と述べています。
記者会見で明らかになったところによりますと、四川省の生産能力は、地震による全面的な破壊は受けず、経済と社会の発展の基盤は揺るいでいません。7月以降、四川省の経済は明らかに回復の勢いを見せています。
四川省は現在、行政能力の強化を重視するソフト環境の整備を進め、よりよいサービス能力で各界の投資を誘致することに取り組んでいます。
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