中国のすべての省、自治区、直轄市の合わせて31ヶ所で20日、著作権を侵害したものや不法な出版物などを処分する活動が行われました。今回の活動は、いままでで最大規模となりました。中国国家新聞出版総署の署長で国家版権局の局長も務める柳斌傑氏は、この活動は、中国における著作権侵害や不法出版物の取締りの実績を表し、中国政府の知的所有権保護に対する決意を示していると述べました。
20日、中国各地で、総額5億元以上に及ぶおよそ4700万点の不法な出版物などが処分されました。北京での活動には、中国国家新聞出版総署の柳斌傑署長を含む22の政府機関の責任者が出席しました。柳斌傑署長は現場で、次のように語りました。
「我々は、この活動を通じて、世界に対し、中国政府が今後も知的所有権を保護し、著作権の侵害や海賊版などを取締り、自主開発能力を保護することによって新創造型の国づくりに努力していく決意を示したい」
柳斌傑署長によりますと、中国政府は、知的所有権の保護を一貫して重視し、関連の法律体制を構築しています。また、一般市民が知的所有権の保護状況を監視し、不法行為を摘発しやすくするため、50の都市でサービスセンターを設けました。さらに、知的所有権の保護をより一層推進するため、中国国務院は「国家知的所有権戦略綱要」を採択したということです。
中国は、著作権侵害などの取締りを20年以上にわたって行い、大きな成果を上げています。これまでに、合わせて40万件余りの知的所有権侵害事件が摘発され、13億点余りの不法な出版物が押収されました。
これと同時に、中国は、国民の知的所有権保護意識を高めることにも取り組んでいます。20日、北京での取締り活動では、小中高校生による海賊版防止活動も行われ、高校生の趙宇嬌さんは、全国の青少年に対し、「海賊版を買わず、知的所有権を保護しよう」と呼びかけました。
「私は、北京の小中高校生を代表して、全国の青少年に呼びかける。知的所有権の保護意識を身につけ、海賊版をなくし、正規のものを利用するよう呼びかけたい」
中国は、知的所有権の保護で大きな成果を得ていますが、まだまだ課題も多いようです。これについて柳斌傑氏は、こう述べています。
「中国国内にあった一部の不法な出版物の生産拠点は最近、海外に移ったが、中国国内に向けて海賊版を販売している。同時に、国内では、不法出版物の生産や販売が依然としてある。したがって、今後の状況も非常に深刻だ。関係部門や警察、そして一般市民が、関連の法律にしたがって知的所有権保護のためにともに努力していく必要がある」 (翻訳:鵬)
|