|
グルジアの大統領選が5日20時に終了しました。しかし、当日夜に発表された二つの世論調査の結果は全く対照的なものでした。そのうち一つの世論調査ではサーカシビリ前大統領の得票率が53パーセントとなり、第一回投票で勝利すると伝えられましたが、もう一つの世論調査では7人の候補者の得票率はいずれも過半数に満たないとしています。二つの世論調査の結果が相当異なることから、グルジア大統領選の情勢は非常に混沌してきたといえるでしょう。
グルジア中央選挙委員会は5日夜、記者会見で「現地時間夕方5時までに、投票した有権者は46パーセントを超え、重大な規則違反もなく、今回の選挙が合法と認められた。投票結果は6日夜に発表される」と明らかにしました。
専門家は「サーカシビリ前大統領が第一回投票で当選に必要な過半数の票を獲得するかどうかについて、世論調査の結果が相当異なることはグルジアの複雑な国内情勢を反映している」としています。去年11月のはじめ、グルジアの反対派は首都・トビリシで大規模な反政府デモ行進を行い、サーカシビリ大統領の辞職と、繰り上げ大統領選を要求しました。国内の政治危機から脱するため、サーカシビリ大統領は全国範囲で非常事態宣言を発表すると同時に、今年秋に行われる予定だった大統領選挙を1月5日に前倒して実施することを決めました。国内においては、サーカシビリ大統領が2003年に大統領に就任して以来、経済の自由化を進めていますが、予定通りの成果は収められていません。インフレによってもたらされた収入減少や失業率上昇などで、サーカシビリ大統領の支持率が下落しつつあります。外交においては、ロシアとの関係悪化によってグルジアはロシアの経済制裁を受け、国民経済の基幹産業であるミネラル・ウォーター、ワイン、果物の輸出が大いに制限されています。また、サーカシビリ大統領が提起するグルジアのNATO・北太平洋条約機構への加盟計画もNATO側の支持を得ることができません。今、サーカシビリ大統領の以前の支持者はほとんどが反対派にまわり、野党主流派9政党の統一候補・ガチェチラゼ氏がもっとも強力な競争相手となっています。
関係筋によりますと、世論調査の結果が異なることは有権者の態度が揺れることを示しています。大統領選前の世論調査では30パーセントの有権者がまだだれに投票するか分らないとしました。ただ全体から見れば、親欧米のサーカシビリ氏が再び当選する可能性がかなり大きいと見られています。
|