中国科学院はこのほど、中国のエネルギー発展に関する研究報告書を発表しました。この報告書は、今後30年ないし50年の間にエネルギーの発展と構造の改善について戦略的な目標を立て、持続的発展が可能なエネルギー体系を構築するよう中国政府に提案しています。
この、「試練に耐え、持続的発展が可能なエネルギー体系を構築する」という研究報告書は、中国科学院によって作成されたものです。この報告書の作成には、中国のエネルギー、環境、気候、科学技術政策の専門家が参加しました。
22日に行なわれた座談会では、中国科学院の路甬祥院長が、「1970年代の末から、改革開放が進められ、経済の成長率は9%以上に達した。しかし、これと同時に、資源や環境、エネルギーによる圧力が加わった。2050年までに中等の先進諸国のレベルに達するには、経済の持続的かつ急速な発展を維持した上で、エネルギーを節約し、汚染を大幅に減少し、エネルギー構造の改善に努力する必要がある」と述べました。
路甬祥院長はまた、「まず、中国のエネルギー発展の戦略目標を明確にするべきだ。理想的なのは石油の消費量の増加率を2005年に比べて、50%以下に抑制すること。単位GDPあたりのエネルギー消費はそのときの先進諸国の中等レベルに達すること。また、エネルギー構造の調整で、再生エネルギーや原子エネルギーの比率を大幅に拡大し、水力ではない再生エネルギーを少なくとも、一次エネルギーの25%ぐらいにすること。そして、水力発電と原子力発電が20%以上を占めるようにすることだ」と述べました。
ここ数年、中国科学院は中国のエネルギー問題について戦略的な研究を行い、エネルギー構造の調整や持続的発展が可能なシステムの構築について検討を重ねてきました。研究者は、「21世紀の前半でエネルギーの持続的発展が可能なシステムを構築するには、5つの面での仕事が必要だ」と提起しました。これは、石炭のクリーン利用技術を引き続き発展させること、石油と天然ガスの供給を保障すること、水力発電と原子力発電を大いに発展させること、水力ではない再生エネルギーを大規模に発展させること、新エネルギーの研究を強化することです。これについて、路甬祥院長は、「我々はこの5つの面での発展を大いに推進し、2050年までに、エネルギーの供給と利用をより節約し、安全なものにし、エネルギーの持続可能な発展の基礎を築いていくべきだ」と述べました。
現在、中国はエネルギーの試練に耐える一連の政策と法律を策定し、多くの面で、積極的な対策を制定しました。これについて、中国科学院学部評定作業委員会の趙忠賢主任は、「中国はすでに、『気候変動対策国家方案』と『再生可能エネルギー法』を発表し、また、『エネルギー節約法』を修正した。この一連の法律と政策はエネルギーと環境問題の解決を保障するものだ」と述べました。
この報告書はまた、エネルギー問題は人類が共同で直面する問題であり、エネルギー問題と気候変動問題に対応するには、世界の資源と全人類の知恵を結合する必要があるとしています。 (翻訳:董燕華)
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