EU委員会は22日、「アメリカのマイクロソフト社は、EUが2004年発表した反独占処罰の決定を完全に履行することに同意した」と発表しました。これにより、マイクロソフト社とEUの9年間にわたる紛争はマイクロソフト社の敗北で一段落したということになります。
EU委員会の担当者、クローススミット委員は22日の記者会見で、マイクロソフト社の最終選択に歓迎の意を表し、「EUはマイクロソフト社の実際の履行状況に注目していく」と語りました。
クローススミット委員はまた、「マイクロソフト社はEU委員会が2004年に発表した決定を履行することに同意し、合理的かつ無差別という条件でサーバー業界の競争相手に完全で正確な技術情報を公開する。また、他社の生産したソフトウエアがマイクロソフト社のウンドウズにインストールできるようにする」と語りました。
1998年、アメリカのサン・マイクロシステムズ社はクレームを受け、EUとマイクロソフト社の反独占紛争が始まりました。2004年、EUは決定を発表し、「マイクロソフト社は自社がコンピューターのOSにおける優位性に頼って、サーバー業界の競争相手に関連の技術情報を提供せず、他社の開発したソフトウェアがマイクロソフトのウンドウズに搭載できず、市場競争にマイナスの影響を与えた」としています。EU委員会はさらに、「マイクロソフト社が自社のメディアプレーヤーをウインドウズと一体化させた行為は消費者の選択権を奪い、競争相手を弱める恐れがある」と主張しています。そのため、EUはマイクロソフト社に、メディアプレーヤーをインストールしていないウインドウズのバージョンを提供し、サーバーソフトウェア業界の競争相手に技術情報を公開し、4億9700万ユーロの罰金を払うよう要求しました。
これに対し、マイクロソフト社はEU委員会の決定は無効だとして、2004年6月にルクセンブルクにあるEU第一審裁判所に訴訟を提起しました。しかし、EUの裁判所は9月17日に判決を下し、マイクロソフトの上訴を棄却し、EU委員会の決定を支持しました。
関係者は、マイクロソフト社が敗訴したことには大きな意味があると見てます。第一に、今後、マイクロソフト社のようなハイテク企業に対するEUの反独占の立場に影響を与え、また情報技術産業の発展にも影響を与える恐れがあります。第二に、ここ数年、EUは反独占問題でさまざまな取り組みを行っています。マイクロソフト社への処罰のほか、ビタミン、エレベーター、ビール業界などの独占に対しても巨額な罰金を要求しています。第三に、マイクロソフト社がヨーロッパ市場で処罰を受けたことは一連の連鎖反応を招く恐れがあります。特にアジア諸国はEUを真似てマイクロソフトに対する訴訟を行うことになるでしょう。さらに、ヨーロッパでは、マイクロソフト社の悪夢がまだまだ続きそうです。今回の交渉は2004年の決定に対するものですが、2004年から2007年にかけて、EUはマイクロソフト社に対するほかの処罰も下しています。これについて、クローススミット委員は、「EU委員会は引き続きこの問題に取り組んでいく」と述べました。(10/23 翻訳者:Lin)
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