中国の胡錦涛国家主席は3日から9日まで、オーストラリアへの公式訪問を行い、シドニーで開かれたAPEC・アジア太平洋経済協力会議の第15回非公式首脳会議に出席しました。中国の楊傑チ外相は、「胡錦涛主席の今回の訪問は、第17回中国共産党全国代表大会開催前の重要な外交活動であり、中国とオーストラリアの関係促進やアジア太平洋地域の協力強化にとって重要な意義がある」と述べました。
今回の訪問の成果について、揚傑チ外相は記者のインタビューに答え、「胡錦涛主席の今回の訪問は、中国のアジア太平洋地域に向けた重要な外交活動であり、内容が豊かで、非常に効果的なものだった。胡錦涛主席は、40回余りの2国間または多国間の活動に参加し、数多くの分野で重要な成果をあげた。その第1は、幅広い交流を行い、中国とオーストラリアの関係発展を促したことだ」と述べました。
胡錦涛主席とハワード首相は共同で、両国の戦略対話メカニズムを築くことを宣言し、気候変動やエネルギー問題に関する共同声明を発表し、さらに、各分野での協議に調印して両国の実務協力を新たなレベルに引き上げました。
第2の成果は、胡錦涛主席がAPEC第15回首脳会議で中国の政策や立場を表明し、アジア太平洋地域での協力とバランスの取れた発展を促したことです。会議の席上、胡錦涛主席は、協力することによって、持続可能な発展と技術革新を堅持すると強調しました。中国政府が国際会議の中で気候変動問題について具体的かつ実務的な提案を行ったのは、今回が初めてで、関係各方面の積極的な評価を得ました。
第3の成果は、中国の内外政策を紹介し、国際社会から理解と信頼を深めたことです。中国の経済発展とその世界への影響について、国際社会は注目しています。胡錦涛主席は、中国のマクロ経済の状況と経済社会の全面的な発展を目指す政策を紹介し、中国が互恵的かつ開放的な戦略を堅持し、公正な多国間貿易体制を支持するなどの立場を表明しました。
また、楊傑チ外相は「4番目の成果は、ハイレベルの外交を展開し、各国との友好関係を強化したことだ」と述べました。
会議開催期間中、胡錦涛主席は、アジア太平洋地域の9カ国の指導者と会談を行い、双方の友好協力や国際問題と地域問題での協調と協力を強化することで、幅広い共通認識に達しました。胡錦涛主席は、全世界の貿易、気候変動、朝鮮半島核問題、イラン核問題、ダルフール問題などについて、各国指導者と意見交換を行いました。
最後に、5つ目の成果について、揚傑チ外相は、「厳正な立場を表明し、台湾問題について国際社会からの一層の支持を獲得したことだ」と述べました。
胡錦涛主席は、オーストラリア、アメリカ、ロシアなどの指導者と会談した際、「台湾問題は中国の主権と領土保全に関する問題であり、中国の国家利益の核心となるものである」と強調しました。これに対し、各国の指導者はいずれも、「一つの中国」政策を堅持し、台湾当局による国連加盟問題での住民投票を含む、台湾の国連加盟を企むあらゆる行為に反対するとの考えを示しました。
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