韓国政府とアフガニスタンの旧支配勢力タリバンは28日、人質解放で合意に達しました。
29日、タリバンは3回に分けて人質12人を解放し、30日に残りの9人を解放する予定です。
これで、42日間にわたった韓国人人質問題が解決されることになります。
韓国外交通商省は29日、「タリバンはまず女性3人を解放し、午後、男性1人を含め5人を解放した。8人の健康状態は良好だ」と発表しました。
これに続いて赤十字国際委員会は、タリバンがさらに人質4人を解放したと発表しました。
解放された12人は現地の部族長老を通じて赤十字国際委員会に引き渡されました。
これを受け、韓国国内では人質の家族はが大変喜んでおり、女性人質の両親は「娘が間もなく帰ってくる」と涙を流しているということです。
国連は人質の解放に歓迎の意を示し、韓国出身のパン・ギムン事務総長は「私は事務総長として出来る限りの力を尽くした。人質が解放されて大変嬉しい」と述べました。
アメリカ国務省のケーシー副報道官は「韓国人人質の解放を歓迎する」とする一方で、「アメリカはテロ組織に譲歩しないというこれまでの原則を守る。韓国政府とタリバンが人質解放に合意したことはタリバンの合法性を認めることを意味しない」と強調しました。
AP通信によりますと、人質解放でタリバンと韓国政府はそれぞれ身代金の要求と支払いを拒否したということです。
7月19日、タリバンはアフガニスタン中部ガズニ州の幹線道路で移動中のバスを襲撃し、韓国人23人を拉致しました。
タリバンは駐留の韓国軍を即時撤退しなければ、人質を殺害すると韓国政府を脅迫しました。
韓国政府は年末までの軍撤退を表明すると共に、対策要員を現地に派遣しました。
双方は人質の解放をめぐり、交渉を繰り返していましたが、進展はありませんでした。
タリバン内部では、アメリカ軍や政府軍に拘束されていたメンバーの解放、或いは巨額な身代金を要求するなど人質解放の条件で見解が一致していませんでした。
一方、アメリカとアフガニスタン政府は「拘束されたタリバン兵の解放を拒否する」と譲歩しないとの原則を守り、タリバンは男性人質2人を殺害しました。
8月10日から、韓国政府とタリバンは直接交渉を展開し、13日女性2人が解放されました。
そして27日、韓国は年末までの軍撤退を改めて表明しました。
28日、双方は年末までの韓国軍撤退とアフガニスタンにおける韓国人によるキリスト教宣教活動の停止を条件に、人質の解放に合意しました。
世論は「韓国政府が全力を挙げて外交手段による人質問題の平和的解決に成功した。タリバンは適時に譲歩し、政治的知恵を見せた」との評価が出ています。(ジョウ)
|