ここ数日、ギリシャ南部のペロポネソス半島の大部分の地区で大規模な山火事がつぎつぎと発生しました。ギリシャ政府は消火に全力を上げると共に、全土に緊急事態を宣言し、火災の原因を取り調べています。 一方、ヨーロッパの多くの国が消火に援助の手を差し伸べました。
24日、ギリシャ南部のペロポネソス半島を中心に、数百件の山火事が発生しました。26日、火は半島西部のオリンピックの発祥地オリンピア市周辺まで広がりましたが、幸いなことに、オリンピア遺跡は被害を受けませんでした。半島南部のカラマタや西部のプルゴスなどの地区も火災の危険にさらされました。火は首都アテネの北の島エウボイア島に延焼し、アテネ上空まで黒い灰が達しました。
ギリシャ衛生省の統計によりますと、26日まで、火災による死者は57人に上り、10人が行方不明で、1000棟近いの家屋と数千ヘクタールの森林や農作物が消失しました。ギリシャ消防部門の報道官は、「今回の山火事はここ数十年間にギリシャで発生した最も大きなものであり、この150年間に、世界で発生した最も重大な森林火災の一つだ」と述べました。
ギリシャ政府は消火に全力をあげ、消防隊員9000人余りと大量の車両を出動させたほか、10機の消火用飛行機と18機の消火用ヘリコプターを出動させました。ギリシャ国防省はまた、500人の兵士を派遣しました。ギリシャ政府は、EU・欧州連合に救援を求め、26日までに、欧州委員会は援助することを表明しました。現在、フランスやイタリア、キプロスの消火用飛行機と消防隊員が救援作業に入ると共に、スペインやポルトガル、ドイツ、ノルウェー、スイス、オランダなどの国が提供した消火用飛行機とヘリコプターもギリシャに到着しました。また、オーストリアとスウェーデンなどは消火設備を提供することにしています。
山火事発生後、ギリシャのカラマンリス首相は25日、全土に緊急事態を宣言し、「当面、差し迫って行う必要があるのは火災の勢いをおさえると共に、被災地区の人々を避難させ、できるだけ早く再建作業に着手することだ」と述べました。
ギリシャ政府は、この日から3日間死者のため、哀悼の喪に服することを決めました。
欧州委員会のバローゾ委員長は声明を発表し、ギリシャ政府や遭難者の遺族に哀悼と慰問の意を表しました。
現在、ペロポネソス半島とエウボイア島の40余りの村の人々が避難しています。ギリシャ政府は被害者に財政面や住宅の面で援助を行うことを約束しました。
今年の夏、熱波が連続してギリシャを襲い、高温のため、山火事は発生しやすくなりました。しかし、カラマンリス首相は、「多くの場所で同時に大規模な山火事が発生するのは偶然ではない。放火した犯人を見つけ出して、厳しく処罰する」と述べました。警察側は、すでに10人の容疑者を逮捕すると共に、犯人の逮捕につながる情報の提供者に100万ユーロの賞金を支払うと発表しました。
(翻訳:董燕華)
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