中国の与党である中国共産党が、間もなく第17回全国代表大会を開催します。それに先立ち、この会議に参加する代表を選ぶための選挙が8ヶ月間にわたって行われました。厳しい選挙制度にしたがって、政治的な教養が高く、議論能力が優れた共産党員が全国から2200人あまり選出されました。
中国の人口は現在13億人あまりですが、そのうち、中国共産党党員は7000万人以上です。その中から、国民を広く代表できる党員たちが、今回の代表に選ばれています。これについて中国東部の山東省にある民間企業の取締役で、今回、代表に選ばれた陳学利さんは、次のように話しています。
「今回の大会では、『2つの新しい組織』からの代表が増えた。これは、中国共産党中央が新しい経済組織に対し、関心を持っていることを表している」
陳さんが言う「2つの新しい組織」とは、「新しい経済組織」と「新しい社会組織」です。「新しい経済組織」は民間企業、「新しい社会組織」は民間商会、すなわち民間の商業組織や非営利組織などを指します。今回の党大会で、こうした組織からの代表が増えたことについて、陳さんの同僚で共産党員の趙素霞さんも評価しています。
「今回の代表は、社会・経済など各方面を代表する人でなければならないと思う。『2つの新しい組織』の代表を増やすのは、その組織にいる共産党員を励まし認めてくれているからだと思う」
改革開放政策の実施にしたがって、中国では、この「2つの新しい組織」のような利益団体が現れています。中国共産党が改正した党規約では、共産党は、中国の労働者階級の先鋒隊であると同時に、先進的な社会生産力の発展要求や先進的文化の前進方向、および人民の根本的利益を代表すべきだとしています。したがって、今回選出された代表には、労働者・農民・軍人・技術者・政府機関の幹部、それに「2つの新しい組織」の代表がそろいました。とりわけ、この「2つの新しい組織」の代表が注目されています。世論では、党組織の範囲が拡大され、民間企業と市民団体所属の共産党員も認められるようになったからだと見ています。
また、今回の大会では、農村や工場など生産の最前線で働く代表も前回より増えて、全体の28%以上を占めています。今回の代表選定について、中国共産党中央組織部の瀋躍躍常務副部長はこう説明しています。
「今回の代表は、経済・科学技術・国防・政治・法律・教育・文化・衛生・スポーツなど各分野にわたっている。労働者・農民・軍人・学者・退職者など様々だ。また、女性と少数民族の数が前回より増えた」
中国共産党全国代表大会は、5年に1度開催されており、共産党と国にとって最も重要な政治イベントです。加えて、第17回党大会は、中国の経済・社会の発展が重要な段階に入っているいま、非常に大切な会議になります。今回の会議で、代表たちは、共産党員と一般市民からの意見や要求を報告し、共産党の方針や政策を討議し決定することになっています。(翻訳:鵬)
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