パレスチナ自治政府のアッバス議長は15日、連立内閣の財務長官だったサラーム・ファイヤド氏を新しい首相に任命し、非常事態内閣の組閣を要請しました。
アッバス議長はこの日、ファタハの高官やパレスチナ解放機構の高官と協議した後、14日夜解任したハニヤ氏の代わりに、ファイヤド氏を首相に任命したものです。
これに対してハマス側のズフリ報道官はこの日、「ファイヤド氏の任命や非常事態内閣の組閣要請はパレスチナの法律に違反したもので、ハマスの合法的地位に対する『クーデター』である。ハマスは、アッバス議長がこの任命を取り消し、パレスチナ人民の団結を確保するよう求める」と述べました。
同じ日、シリアに亡命しているハマス政治局の指導者メシャール氏は、「ハマスはパレスチナ自治政府内での主導権を争うつもりはない。アッバス議長は自治政府の民選の議長である。ハマスは国の利益のために引き続きアッバス議長と協力していく」と述べました。
こうしたパレスチナの情勢について、国際社会は相次いで内部衝突をいち早く停止するよう呼びかけました。
国連のパン・ギムン事務総長は15日、声明を発表し、パレスチナ連立内閣の「失敗」に失望を表す一方で、「アッバス議長が法律に基づいて職務を行うことを支持する」と述べました。
またアメリカ国務省のマコーマック報道官は15日、「アッバス議長がファイヤド氏を新首相に任命して作る新政府は全てのパレスチナ人の政府であり、ハマスが制圧しているガザ地区に対しても管轄権を持っている」と語りました。
このほかイギリス、スペイン、ドイツなども、「アッバス議長の決定を支持する」と表明しました。
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