中国の胡錦涛国家主席は先進主要国と経済新興国の指導者対話会議"G8+5"に出席したあと、スエーデンに対する公式訪問を行い、11日北京に帰ってきましたが、これに随行した中国の楊潔チ外相は、帰国の途中、中国記者に訪問の成果を紹介しました。

　この6日から10日かけて、胡錦涛国家主席は、ドイツで行われた"G8+5"対話会議に出席し、またスエーデンを公式訪問しました。この4日間に胡錦涛主席は30あまりの活動に参加し、多くの国の指導者と会合し、南南協力の強化について提案を行い、また世界の経済問題と注目される世界の気候変動問題について中国側の立場を説明しました。

　世界の気候変動問題は今回の"G8+5"対話会議での際立ったテーマですが、胡錦涛主席はこの対話会議で講演し、「気候変動問題はつまるところ発展の問題である。国際社会は新しい利益の理念と協力様式を確立し、実務的な協力を積極的に展開するべきだ。気候変動の問題では、共同であるが区別ありという原則を堅持しなくてはならない。先進国は発展途上国に援助を提供すべきであり、また排出量の減少という義務を率先して果たすべきだ。そしていまの段階で発展途上国に排出量の減少を強制することは不適当であり、発展途上国も自国の実情に基づきしかるべき措置を取り、世界の持続的な発展に寄与していくべきだ。中国はこれからも気候変動分野での国際協力と南南協力に積極的に参与していく」と述べました。

　また、南北双方の世界の開発分野の協力を促すことについて、胡錦涛主席は、「国際社会は共に責任を取り、世界経済のバランスの取れた発展に進んで寄与すべきであり、発展途上国の発展能力の向上を援助しなくてはならない。世界の経済スシステムの改革は世界経済の枠組みの変化を十分に反映しなくてはならず、また、発展途上国の発言権と代表性を増やし、民主的な協商を通じて食い違いと矛盾を適切に解決すべきだ」と語りました。

　楊潔チ外相は、「胡錦涛主席が強調した以上の立場は、中国が建設的に、責任ある態度で発展途上国の利益を維持していることが示しており、各関係方面の高い評価を受けた」と述べました。世界の世論はこれについて、胡錦涛主席の講演は、公正に共同で気候変動に対処していくという発展途上国の姿勢を現し、同時に世界的な新しい型のパートナーシップ構築を支持するという中国の立場をも表明しているとしています。

　胡錦涛主席は"G8+5"対話会議期間に、12人の外国の指導者と会見し、朝鮮半島の核問題、スーダンのダルフール問題を含む共に関心を寄せる問題について踏み込んだ意見交換を行ないましたが、楊潔チ外相は、「各国の指導者は地域問題と国際問題で中国が積極的な役割を果たしていることを高く評価し、中国側との協力を強め、世界の平和と安定を維持し、共同の発展を促していくと表明した」と述べました。

　このほか、胡錦涛主席のスエーデン訪問は両国の国交57年来、中国の国家元首としては始めてのもので、訪問期間中、胡錦涛主席は、スエーデンの国王、首相、議会議長と会見し、またスエーデン中国貿易委員会で重要な談話を行ないました。胡錦涛主席は訪問期間中、中国側は両国関係の絶え間ない発展を促し、両国国民が永遠の友好を保ち、全面的な協力を行う友人とパトナーとなるという願いを再度表明しており、これはスエーデン各界から大きく歓迎されました。

　楊潔チ外相は、「今度の胡錦涛主席の"G8+5"対話会議への参加とスエーデン訪問を、共通の認識を拡大し、相互信頼を深め共栄を促した訪問だった」と評価しています。