首相に就任して10周年を過ぎたばかりのイギリスのブレア首相は10日、「直ちに労働党党首を辞任する。6月27日に首相を辞任する」と表明しました。イギリスの世論は、「ブレア首相は第2次世界大戦後、イギリスでもっとも成功した政治家の一人である。ブレア首相は労働党を率いて3回にわたって総選挙で勝ち抜いた。しかし、イラク戦争と政治の不祥事の影響で、労働党内外から圧力を受け、辞任した」と見ています。

　辞任はブレア首相が10日、イギリス北部にあるセッジフィールドの選挙区で表明したものです。ブレア首相は初めに「自分の選挙区がセッジフィールドであるため、ここに戻って辞任を発表する」と強調しました。15分間にわたる演説で、ブレア首相は「最低賃金の標準を確立し、有給休暇制度を実施した。同性愛の権利保障を行った。北アイルランドの和平を推進した」と自己の業績を総括しました。それとともに、ブレア首相の在任期間中、イギリスの経済状況は好転しました。医療、教育などの福祉も改善されています。また、テロ対策、地球温暖化、アフリカ支援などの面で、イギリスはすでに世界の指導的な立場になったと見られます。イラク問題について、ブレア首相は「私の決定は間違っていたかもしれない。しかし、当時のイギリスにとっては正しい決定をした」と述べました。

　しかし、イラク問題で誤った決定をしたことが、ブレア首相に大きな影響を及ぼしたことも否定できません。それにもかかわらず、イギリス国民が反対しているこの問題について、ブレア首相は依然として「正しい決定をした」と説明しています。一方、イギリスのメディアは「ブレア首相の支持率が大幅に下がったのは、軍隊を派遣してイラク戦争に参加したときからだ」と一致して考えています。

　ブレア首相の報道官は10日「労働党の新しい党首が選ばれるまで、ブレア首相は引き続き首相の任に当たる。労働党党首の選挙は7週間の日程で行われる見込みだ」と発表しました。現在のブラウン財務相が労働党の新しい党首になり、ブレア首相に代わって、イギリスの次期首相になる可能性がもっとも高いと見られています。（05/11　翻訳：殷絮）