国連人間居住計画の第21回理事会会議がケニアの首都ナイロビで開かれています。この会議に参加した中国代表団の団長を務める建設省の傅ブン娟次官は席上、「持続可能な都市化を促すため、自国の実際の状況から出発し、国情に合った都市化の発展という道を歩まなければならない」と述べました。
国連の統計によりますと、2007年は人類の歴史上の一つの一里塚となることが分かります。それはつまり、全世界で50%の人が都市部の人口となり、都市化の時代に入っているからです。現在、人口の都市化プロセスは95%が発展途上国に集中しています。中国は最大の発展途上国として、都市化プロセスの急速な発展を見せています。これについて、傅ブン娟次官は、「中国の都市化レベルは1990年の26.4%から2006年には43.9%に増加した。毎年、およそ1000万人から1300万人の農村部人口が都市部に移転している」と話しています。
都市化プロセスの加速は、経済成長を促すとともに、いろいろな避けられない問題をも生じています。このうち、都市部の貧困化、特にスラムの拡大が世界的な課題となっています。この問題に対する全世界からの関心を呼び起こすため、国連人間居住計画は、都市部の貧困撲滅活動を今回の会議の主なテーマとしています。
中国では、他の国のような大規模なスラムはありません。しかし、バラック街などは中国の一部の都市で依然として存在しています。中国政府はこうした状況に対し、一貫して注意を払ってきました。これについて、傅ブン娟次官は、「私たちは現在、住宅問題の解決の面で貧困層や低収入層に重点を置いている。このため、いくつかの政策を打ち出した。例えば、低収入層向けの購入者に対しては優遇政策を講じた経済住宅、貧困層向けの低家賃住宅、それに住宅公共積立金などの政策である。各レベルの人に対し、それ相応の措置を講じて、みんなの需要を満たそうとしている」と述べています。
都市部住民の住宅問題を解決するとともに、中国政府は調整と誘導という手段をを強めて、各レベルの都市部の協調の取れた発展を堅持し、都市化プロセスと資源環境とのバランスが取れるように努力しています。
中国政府は、持続可能な発展戦略を堅持しており、その理念を国の発展政策や行動計画と融合させています。こうしたからこそ、ここ数年間、中国は、都市化の健全な発展の促進や就業チャンスの増加と貧困撲滅、住民の居住環境の改善などの面で、著しい成果を遂げました。
一方、傅ブン娟次官は、「現在、中国では都市部と農村部の間に発展のアンバランスの問題が依然として存在している。貧困撲滅、共同発展を実現するには、長期的な努力をしなければならないだろう」と指摘しました。そして、傅ブン娟次官はさらに、「持続可能な都市化の発展を促すためには、自国の実際の状況から出発し、国情に合った都市化の発展という道を歩まなければならない。そして、人を重視し、住宅問題の解決を貧困撲滅の重点とする。財政面での誘導の役割を発揮させ、人口と資源環境の調和の取れた発展を促進していかなかればならない」 と語りました。
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