韓国の「慰安婦」被害者は、1992年1月から、毎週水曜日、ソウルの日本大使館前で抗議活動を続けています。公式謝罪と国家賠償を日本政府に求めているのです。
しかし、この間も日本政府要人と右翼勢力は、第2次世界大戦時代の日本軍による「従軍慰安婦」の強制連行を否定する言論を繰り返しました。
こうした言論は韓国社会で大きな波紋を広げ、批判の声が高まっています。
「従軍慰安婦」の被害者、79歳の李玉善(イー・オクソン)さんは(音響の2)「私はその時、蔚山(ウルサン)でお手伝いさんをしていた。ある日、町に出た際、2人の男性が突然目の前に現れた。彼らは私を捕まえて連れ去った。私は15歳だった。抵抗する力はなかった」と強制連行された経験を述べました。
韓国歴史学者の統計によりますと、第2次世界大戦中、日本軍は朝鮮半島でおよそ20万人にのぼる女性を強制連行し、「慰安婦」として従軍させました。
李玉善さんは(音響の3)「慰安所で人間以下の生活を強いられ、逃げようとしたが、捕まえられた。憲兵は私を殴り、刀で手足を刺した」と述べ、手足の傷跡を見せてくれました。
「従軍慰安婦」の被害者のうち、虐待を受けて亡くなったり、身障者となったりした女性はかなりの数にのぼっています。それだけでなく、家庭を失ったり、妊娠できない体になったケースも多いです。
1990年代から現在までに、韓国では150人以上の「慰安婦」被害者が自らの悲惨な過去を公開し、旧日本軍の罪悪行為を暴露しました。
ところが、大量の被害者証言に対し、日本の安倍晋三首相は今月1日、首相官邸で「強制を裏付けるものはなかった」と発言しました。
また、16日の日本政府閣議でも「政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする答弁書を決定しました。
韓国の光州(クワンジュ)にある「慰安婦」被害者向け養老院の責任者は(音響の4)「彼女たちは悲惨な一生を過ごした。いかなる謝罪や賠償を受けても失った幸せを取り戻せない。旧日本軍による慰安婦強制連行は重大な犯罪だった。日本首相の発言は被害者を2度傷つけた」と指摘しました。
韓国「慰安婦」歴史館によりますと、毎年、3000人から4000人の日本人が歴史館を訪れ、「慰安婦」問題の過去と現状を見学しています。
韓国の盧武鉉大統領は3月1日の抗日独立運動記念日に発言し、実際の行動で歴史問題を解決する誠意を示すよう日本政府に呼びかけました。
盧武鉉大統領は「歴史を尊重し、実際の行動と誠意をもって歴史教科書、慰安婦、靖国参拝などの問題を解決するべきである。国際社会の尊重と信頼を得ようとするならば、侵略の歴史を美化せず、誠意と実際の行動によって歴史問題を解決しなければならない」と述べました。 (ジョウ)
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