10年前の1997年7月1日香港が中国に返還されました。返還されてからの香港の発展ぶりについて、第10期全国政治協商会議第5回年次総会に出席している香港の委員たちが口々に話しています。
返還後、香港では「一国二制度」という構想が実現しました。ここ10年、中央政府はこの「一国二制度」と「香港人による香港の管理」といった高度な自治方針を一貫して実施し、また、「基本法」を遵守してきました。この10年間、香港は、アジア金融危機やSARS (サーズ)による打撃に見舞われましたが、「祖国を後ろ盾にして、世界に目を向ける」方針を堅持してきました。また、中央政府の全面的な支持を得て、効率的に政治を行っています。この他、香港の同胞たちは心を一つにして、航空運輸や国際金融、観光の中心地としての香港の地位を強固なものにするため、努力してきました。
これについて、全国政治協商会議の委員、香港経済貿易商会の李秀恒会長は「香港経済が短期間で回復できたのは、中央政府の支持があったからだ。特に2004年から実施されている『大陸と香港の経済貿易関係緊密化協定』(CEPA)によって、香港経済の回復がさらに促された」と話した上で、さらに「私の企業自体もCEPAの恩恵を受けている。時計を作る会社で、一部の工場が香港にある。中国大陸市場に進出し、より多くの人にわが社の製品を知ってもらうため、我々も香港貿易処に免税を申し込んだ。その結果、現在生産量が毎日伸びている。全体的に見れば、CEPAの実施は中央政府が香港企業と香港経済を支持するため取った有力な措置だと言える。この他、大陸住民の香港観光許可はCEPAに盛り込まれた重要な内容である。大陸の多くの住民が香港を観光したり、買い物したりする。これは製造業で大きな就業機会を創出すると同時に、市場を活性化させる面で大きな役割を果たしている」と説明しました。
CEPAは貨物貿易やサービス貿易の自由化、貿易投資の利便化などの内容以外に、金融や観光などの分野での協力を盛り込んでいます。中国商務省の最新統計によりますと、CEPAが実施されてから3年間で、大陸側が香港側から購入した貨物は金額にして、8億7000万ドルとなっています。また、香港の経済成長率は実施1年目は8%、2年目も7%に達しており、香港でおよそ3万人の就業機会を作り出しました。
また、「一国二制度」と「香港人による香港の管理」の実施によって、香港経済の実力が増強されたと同時に、より多くの香港人が中国人としての誇りを感じるようになっています。
これについて、全国政治協商会議の委員、香港科学技術大学の元学長・呉家イ氏は次のように話しています。
「返還後、香港のよいところはそのままだ。かつては恐れていたこともあったが、特に何も起こっていない。そのため、民族意識が高まり、中華文化を認める人もますます増えてきた。また、ここ数年、自分が中国人だと認めている人がますます増えていることが最近のサンプル調査で明らかにされた」。
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