中国の薄熙来商務相は、北京を訪れたアメリカのシュワブ貿易代表と会談を行った際、次のように述べました。「中国は、WTOのドーハラウンド交渉の回復を促進する。しかし、ドーハラウンドで発展問題を優先的に議論することによって、行き詰まりを打開し、バランスよく、安定的で開放的な多角的貿易体制を作ることが出来る」薄商務相は、このように語りました。

　29日、北京で開かれた記者会見で、シュワブ貿易代表は、マスコミに対し、「アメリカは、世界の貿易大国が新しい連合を結成することを期待する。特に、中国がドーハラウンドでより積極的な役割を果たすよう望んでいる」と述べました。また、シュワブ貿易代表は、次のように語りました。

　「中国に、ドーハラウンド交渉の成功がもたらす利益を分かってもらいたい。と同時に、ドーハラウンドを成功させ、また、このプロセスで積極的な役割を果たすことが中国の長期的な利益に符合することを分かったほしい」シュワブ貿易代表は、このように語りました。

　しかし、シュワブ貿易代表の話に対して、中国商務省の崇泉報道官は、違う見方を示しました。崇泉報道官は、次のように述べました。「ドーハラウンド交渉を回復して、公平で公正な多角的貿易体制を作ることは、WTOの殆どの加盟国の利益に一致する。中国は、関係国と共に、交渉に参加し、ドーハラウンド交渉の回復を積極的に促進するが、先進国はより大きな役割を果たすべきだ」、崇泉報道官は、このように強調しました。さらに、「ドーハラウンド交渉で、発展問題を最初に議論すべきだ。この交渉をいち早く回復し、目標を実現させるために、先進国が実質的な成果を上げるべきだ」と語りました。

　一ヶ月前に、WTO加盟国は、農業問題で意見の一致に達しませんでした。アメリカを含む先進国は、自国農産品への高い保護措置を取り消さず、また、その他の加盟国は他の問題で意見の食い違いがあり、5年間にわたって行われてきたドーハラウンドは無期限に一時停止しています。

　中国商務省の梅新育研究員によりますと、ドーハラウンドを回復することは、中国とアメリカにとって良いことですが、しかし、各加盟国が利益を分かち合うため、先進国は国際貿易における発展途上国の利益を考慮すべきです。発展途上国にとって不利な利益配分の仕組を変える必要があります。

　梅新育研究員は、また、次のように述べました。

　「両国の貿易で、中国は、これからアメリカの最大の貿易パートナーになる可能性がある。そうなると、貿易分野で、中米間におけるいろいろな問題を交渉する必要がある。また、多角的貿易交渉で、中国が世界第3の貿易大国になり、今後、この順番が上がるだろうと思うが、アメリカは、ドーハラウンドを回復したいなら、中国からの支援を必要とするようになる」、梅新育研究員はこのように話しました。（翻訳：ハルオ）