コンゴ民主共和国で、45年ぶりに初めての民主的な大統領と国民議会選挙が30日に行われました。戦乱が長く続いてきたこの国では、大統領選と国民議会選が順調に行われることは、民主と持続的な平和を実現することに重要な一歩を踏み出したことを意味しています。これはコンゴ民主共和国ないし、アフリカにとって、重要な意義を持っています。

　コンゴ民主共和国は、1998年に、内戦が勃発し、1999年の停戦協定の「ルサカ合意」に従って、国連のオブザーバーチームがここに駐在するようになりました。しかし、「ルサカ合意」と国連の関連決議は効果的に実行されず、紛争が絶えず発生してきました。2003年4月、コンゴ民主共和国政府、主な反政府武装勢力、非武装反対派と民間組織の代表らは、南アフリカで和平協定に調印し、全国で大統領選と国民議会選を行うまで、暫定政府を2年間発足させることに同意しました。

　大統領選と国民議会選が一度延期されましたが、今年の7月30日に行われることが決まりました。選挙の前、国内各地、特に東部地方で、暴力事件が度々発生して、この選挙に影を落としました。一方、いいニュースもあります。東部の最後の2つの武装勢力は、選挙前の数日に、武装解除して、政府軍に加入することを発表しました。この２つの武装勢力に、1500人規模の「コンゴ民主共和国革命運動」という勢力があります。この組織は、最近東部で発生した暴力事件に関与したと見られていますが、しかし、武装勢力が、武装を放棄したことは、人々の大統領選と国民議会選への心配を少なくしました。

　一方、国連は、すべての手段をとって、大統領選と国民議会選を支援しています。コンゴ民主共和国駐在の国連事務総長のスウィーング代表は、29日、「今回の選挙は、国連が支援する度合いの最も大きい選挙だ。この選挙のため、国連安保理は、33の決議を相次いで可決し、コンゴ民主共和国の5万ヵ所の投票所に詰める30万人の職員に訓練を行った。5万人の警察官を編成し、育成した」と述べました。

　33人の候補者は、大統領選で競いました。これと同時に、9700人の候補者が国民議会の500の議席を争いました。現在、現任のカビラ大統領は、世論調査で35%の支持率でリードしていますが、この支持率が第1回投票の中で必要となる過半数の得票率より遥かに低いレベルに留まっています。カビラ氏のライバルは、「コンゴ解放運動」のベンバ氏です。ベンバ氏は暫定政府で副大統領を勤めています。国際問題の専門家は、「現在、誰も第1回投票で絶対的な優勢を勝ち取ることができないので、第1回投票で得票率の最も高い2人の候補者が、10月に行われる決選投票で競う可能性は高い」としています。

　数年間続いてきた内戦は、コンゴ民主共和国とその人民を大きく傷つけました。これまでの内戦で、390万人が死亡しました。アナン事務総長は、「コンゴ民主共和国の45年ぶりの初めての民主選挙は、コンゴ民主共和国だけではなく、アフリカの未来を代表している」と強調しました。国際アナリストは、今回の選挙について、次のように分析しています。この選挙がもたらす希望は、選挙だけではなく、新しい政府が、いかに各種の力を団結して、国家の再建と人民生活を改善するかが問題の鍵であるとしています。（翻訳：ハルオ）