歴代新疆住民の知恵の産物であるカーレーズ(坎儿井)が、このほど、世界文化遺産の申請リストに加わりました。
「火の町」と言われるトルファンでは水不足がとても深刻です。北部にある天山の雪解け水は、ゴビにしみ込み、地下を流れ、貴重な水資源となっています。古代トルファン人はカーレーズの水を使って、畑を灌漑し、今日まで来ました。
カーレーズは主に竪型井戸と、地下の用水路、地上用水路、それに池などからなっています。数十キロも延々と延びる人工用水路で雪解け水を引き、竪型井戸を通じて地下でつないでいます。雨が少ない旱魃のアジアの奥地には、人々はカーレーズを利用してオアシスを作り、中国で最も有名な葡萄とメロンを栽培しています。
総延長5000キロあまりのカーレーズは主に、新疆のトルファンや、ハミ、ホーテンなどに広がっています。中国では、万里の長城、京杭大運河と名が並ぶほどの古代三大人工建築のひとつとして、「地下の万里長城」と称えられています。
50年前、新疆にはまだ1784本のカーレーズが残っていましたが、現在、水が流れているのは、わずか500本ぐらいしかありませんが、1200本あまりのカーレーズはすでに枯渇しています。カーレーズは現在毎年23本の割合で消えつつあるのです。
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