2日間にわたってスーダンの首都ハルツームで開かれたアラブ連盟首脳会議は29日、閉会しました。今回の会議はアラブ諸国がより厳しい試練に直面する情勢の下で開かれたもので、世界で大きな注目を集めています。

　この会議で採択された『ハルツーム』宣言は、会議に参加した各国がこの地域の重大な問題や、協力など多くの問題で共通の認識に達したことを示しています。

　会議のホスト国・スーダンの主権と密接に関わるダルフール問題について、会議はダルフール問題におけるAU・アフリカ連合の主導的な役割を改めて強調し、スーダン政府の同意を得ずに、ダルーフル地区へ国際部隊を配属することに反対しました。会議はまた、ダルフール地区の平和維持活動を行なっているAU 部隊にアラブ部隊を増派するほか、AUのダルフール平和維持行動に1億5000万ドルを援助することを決定しました。

　中東和平問題はこれまでのアラブ連盟首脳会議における重要な内容でした。今回の会議は、イスラエルがアラブ側を無視し、一方的に撤退する行動を取り、パレスチナとイスラエルの国境を画定しようとする趨勢がますます際立った状況の下で開かれたもので、イスラエルの一方的な行動に反対する態度を明確にし、2002年の首脳会議で提出されたアラブ和平提案の実施を再開し、この提案を国連或いは安保理で採択させ、国連の関連決議や土地と平和の交換という原則、中東和平案の『ロードマップ』と共に、アラブとイスラエルとの衝突を解決する枠組に取り入れることを決定しました。

　そして、イラク問題について、会議はイラクの主権、独立と統一を尊重することを改めて表明し、国家の安全、安定と統一を保障し、外国軍隊の撤退に条件をつくるため、民族団結政府をできるだけ早く発足させ、アラブ諸国がイラク政府の提供した安全保障の状況の下でできるだけ早くイラク駐在使節を派遣するよう呼びかけしました。このほか、会議はまた、ヨルダンがその首都アンマンで各政治党派と宗教派別の会議を開くという提案に歓迎の意を表しました。

　関係者は今回の首脳会議はいくつかの重大問題で共通の認識に達し、一部の成果を収めたものの、新しい問題や意見の食い違いの解決の面で大きな進展を治めることは出来なかったと見ています。例えば、シリアとレバノンの問題は会議の重要な議題の一つでしたが、両国が占領された領土を取り戻す権利への支持を重ねて強調し、サバア農場に対するレバノンの主権を確認しただけで、シリアとレバノンの危機をいかに解決するかについては如何なる提案をも提出しませんでした。これに対し、シリアとレバノン両国も不満を示しています。

　今回の会議が一部の問題に制限されたのは、アラブ連盟の主観的な原因があれば、客観的な要因もありました。例えば、会議のホスト国のスーダンはダルフール問題で一部の西側諸国の非難を受けています。外部からの圧力によって、22のアラブ諸国のうち、10カ国がこの会議に欠席したということです。