国務院報道弁公室は24日去年の化学工場爆発による松花江水質汚染事故に関する環境影響評価を発表しました。
それによりますと、冬が終われば、松花江流域の大部分の水質が安全基準内に戻り、流域内の水産物、農産物、畜産物、地下水は安心して飲用・食用できるとのことです。
去年11月上旬、東北部の化学工場が爆発し、ベンゼン類など大量の有害物質が黒竜江省の中心都市ハルビンを流れる川・松花江に流入し、重大な環境汚染事故が発生しました。
ハルビン市では4日間連続して市民への飲料水供給が中断し、国家環境保全総局の解振華局長も責任をとって辞任しました。
24日の記者会見で後任の周生賢局長は「環境学者の研究によれば、春が到来すると、松花江流域の大部分は水質が安全基準に戻り、川の各区間と沿岸のプールで養殖される魚類、牛乳、豚肉、卵、野菜も安心して食用でき、沿岸の地下水の水質も国家基準に適合し、安心して飲用できる。川の水が春季の灌漑に利用されても、農作物に影響を及ぼすことはあり得ない。更に、ロシア・ハバロフスク市の飲料水の水質安全を確保するため、水路にダムを建築した」と述べました。
今回の調査結果は、40近くの中国の研究機関や数百人の科学者が共同で下したもので、かなり信頼できるものです。同時に、ロシア側の要求に答え、中露両国は共同で観測をし、情報を即時に交換しました。当面の研究の結果、氷の中のベンゼン類は比較的に少ないことが分かりました。そして、松花江の川底は、砂地となっており、川底に沈んでいるベンゼン類は限られていると見られます。したがって、今年春、凍りが融け、川底の泥が流れ出るにつれて水中のベンゼン類が濃度を高めることはないとみられます。
中国はまた、今回の汚染によって人間の健康に与える影響について調べることになっていますが、その結果は10月までに出るということです。
中国国家環境保護総局の周生賢局長は「中国は更に今年から5年間かけて、266億元を投資して松花江の水質を全面的に整える計画だ」と明らかにしました。24日の記者会見に出席した中国国家環境保護総局汚染抑制署のハン元生署長は汚染を抑える具体策について次のように語りました。
「まず、松花江沿岸の都市で汚水処理場とごみ処理場を集中的に建設し、生活汚染物の松花江に対する影響を減少させること。また、産業構造調整や技術革新、清潔な生産を強く推進し、工業汚染物による松花江流域に対する汚染問題を解決する。第三は、環境監督監視能力を強化し、特に応急対応の力を向上させ、汚染事故を未然に防ぐ」と述べました。
関係筋によりますと、松花江汚染事故発生後、中国社会の各界からその沿岸の化学工業企業に注目が集まっています。中国国家環境保護総局の調査によりますと、中国では、半分以上の化学工業企業が河川の流域付近に分布していることがわかりました。中国の関係部門は、これらの企業に対して厳格な環境安全検査を実施していくほか、事故の再発を防ぐため、生産の危険性をなくすよう検査不合格となった企業に求めています。(01/24)
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