このほど、中国東北部を流れる松花江が化学工場の爆発事件による汚染物の流入で汚染され、沿岸の住民や企業に大きな影響を及ぼしました。。黒竜江省のハルビン市ではそのため、4日間水道水の供給が停止されました。今後、このような事件の発生を防止するため、中国各地では、重要な河川の主流及び主な支流の沿岸にある大中型企業に対する安全検査を行っています。

　ここ最近、中国南西部の嘉陵江流域の冷え込みはきびしく、多くの人々は家やオフイスの中に閉じこもっています。しかし、嘉陵江重慶市環境保護局の職員は嘉陵江沿岸の企業に対する安全検査に追われています。重慶市環境保護局の郭伊均スポークスマンは「重慶市環境保護局は8つの検査グループを組織し、重点企業に対する総合的な検査を行い、安全面や汚染などの面で重大な問題が存在している企業の生産を中止させ、改善がなされたのを確認した上で生産再開を規定している。重大な問題がある企業を重点的に監督の対象としており、検査の効果を高め、環境や安全を脅かす危険をなくすために努力している」と述べました。

　現在、中国各地の環境保護担当者は重慶市と同じく、このような検査に取り組んでいます。今回の検査期間は2ヶ月間で、重要な河川の主流と主な支流沿岸の大中型企業、特に重要な水源地の上流及び住民が集中する居住区周辺にある企業を重点としています。検査の内容は主に、かくれた安全面と汚染の問題点を見つけ、緊急の対策を講じること及び、緊急の対応能力向上と施設の整備です。また、検査に合格しない企業の生産を停止し、整備させること、そして、建設プロジェクトに対する環境評価を強化することです。

　安全のため、そして、汚染事故を防止するため、各企業は検査を受けると同時に、自ら検査を進めています。例えば、北京では、多くの企業が古い環境保護施設を淘汰し、危険物の貯蔵や輸送の管理を強化し、突発事故への対応と防止に備えています。また、安徽省でも、多くの企業がこの面で一連の改善策を講じました。

　合肥市にある金鐘製紙公司は安徽省で2番目に大きい製紙会社です。ここではこのほど、汚水処理施設の改造に1000万元以上を投入しました。これによって、水の再利用率が90%以上に向上し、汚水処理は国家の一級基準に達しました。金鐘公司の鐘継錦副社長はこれについて、「我々は責任制を敷いた。つまり環境事故の発生及び汚水処理が国家の基準に合格しない場合、環境保護部門の主要な管理者の責任を追究し、処罰するというものでもある。我々は環境保護機関と協力して、技術の養成をしている。」と述べました。

　今回の検査は今月の末に終了します。環境保護を全面的に強化するため、中国政府は環境保護に関する目標を制定しました。これに基づいて、2010年までに、重点地区と都市の環境を改善し、生態環境の悪化を抑制し、2020年までに、環境の質が向上し、生態環境が大きく改善されることが期待されています。