中国の温家宝首相は、ヨーロッパのフランス、スロバキア、チェコ、ポルトガル、それにアジアのマレーシアの5ヶ国歴訪に発ち、またマレーシアで開催予定の第9回ASEANプラス中日韓首脳会議や初めての東アジアサミットにも出席するため、来る4日北京を出発します。今回の歴訪や首脳会議を通じて、各国との理解を深め、共通認識を拡大し、協力を進めていくものと期待されています。
フランスはEUの中で、中国と全面的戦略パートナー関係を構築した最初の国で、このとこR両国関係は良好に発展しています。今回の温家宝首相のフランス訪問は、フランスのラファラン前首相の4月の訪中に応えたものです。
これについて中国外務省欧州局の趙軍局長はこのほどの記者会見で「温家宝首相は訪問期間中、ドビルパン首相と会談を行い、シラク大統領などとも会見し、商工業界などの人々とも会う。このほか、一連の重要な協定を結ぶ。」と述べました。
スロバキアとチェコは、1993年に独立してから初めて中国の首相が訪問します。
中国とポルトガルは1979年に国交を樹立してからこれまで両国関係は安定して発展しており、今回の訪問は13年以来初めての中国首相訪問です。
さらに、今回の歴訪について欧州局の趙軍局長は「EUの対中国兵器輸出の解禁は中国が注目する問題の一つである。温家宝首相はその訪問でこのことにも触れるだろう。EUが早期に約束を履行し、対中兵器輸出を解禁するよう希望する」と述べました。
温家宝首相は今回の歴訪でまたマレーシアの多角会議に出席します。その中で、初めて行なわれる東アジアサミットは、東アジア諸国協力の新しいメカニズムとして各国から重要視されています。中国は、ASEANが東アジア地域の協力で引き続き主導的役割を果たすことを支持し、10プラス3のメカニズムの更なる強化を望んでいます。会議期間、温家宝首相は、東アジア協力における中国の立場と主張を明らかにします。
これについて外務省アジア局の崔天カイ局長は「われわれは、各国がいずれも、この地域の平和、安定、繁栄のために協力を強化すべきだと考える。われわれは東アジアサミットに対し、開放的で建設的な態度を持ち、あらゆる地域協力メカニズムの中で、この地域の中小国家利益を十分尊重し、考慮している」と述べました。
これまでの日程では、10プラス3会議のほか、中日韓三国の首脳会議も同時に行われ、こうしたメカニズムは6年続けられてきましたが、日本の小泉純一郎首相が、アジア各隣国の反対を顧みず、A級戦犯が祭られている靖国神社を再三に参拝したことが原因で、中韓両国は今回の三ヶ国会議に慎重な姿勢を示しています。
これについて、崔天カイアジア局長は「中日関係はいま困難に直面している。その原因は、日本の指導者が執念に靖国神社を再三参拝したことにある。これによって、中日関係の政治的基盤がひどく損なわれており、中国やその他アジア諸国の人民の感情をひどく傷つけた。こうした状況の下で、日本側は、何も起きていないようにこれまでどおりに会議をするのを望むのなら、それは不可能で、自分を騙し、人をも騙すものである。われわれは、このような結果になるのを望んではいるわけでなく、その政治的責任は完全に日本側にある」と強調しました。
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