アメリカのライス国務長官が11日、キルギスを一日の予定で訪問することになっています。ライス国務長官はまたアフガニスタン、カザフスタン、タジキスタンなどの国を訪問する見込みです。専門家は「ライス国務長官はアメリカとこれらの国との関係を修復し、この地域でのアメリカの影響力を維持し・拡大させることが訪問の目的である」と見ています。
旧ソビエト崩壊後、ロシアの世界全体と各地域への影響力を弱体化させるため、アメリカは中央アジア地域と旧ソ連・十二カ国で作る独立国家共同体において、たえず勢力を拡大しています。アフガニスタンでの軍事活動が進むに伴い、アメリカは反テロ活動の旗印の下、ロシアの裏庭と呼ばれる中央アジア地域でその軍事的存在を実現し、さらに全地域を掌握しようとする考えを示しました。
しかし、アメリカの中央アジア戦略計画は実現しないと見られています。今年上半期、キルギスで民主化革命が勃発した後、新政権は前政権が保っていたロシアとアメリカに対する中立的な立場を変えないとしています。また、キルギスの民主化革命とウズベキスタンの騒ぎが沈静化した後、カザフスタンとウズベキスタンなどの国はアメリカに抱いていた幻想を捨てて、ロシアとの関係を強めることにしました。タジキスタンもロシアとの伝統的な友好関係をさらに強化させる考えを示しました。
評論家によると「今の情勢から見れば、たとえアメリカが独立国家共同体のヨーロッパ地域においてはロシアに対して一時的に優位性を保ったとしても、中央アジア地域でロシアに劣ると示した」としました。民主化革命後においてもキルギスのロシアに対する政治・経済における過度の依存状況を変化させることはなく、最も重要な隣国・ロシアとの対立は、キルギスの指導者にとっては自らの首を絞めることであると言えるでしょう。また、キルギスの民主化革命はウズベキスタン、カザフスタンなどの国に向かって警鐘を鳴らす結果となり、これらの国はアメリカとだんだん疎遠になり、ロシアとの友好関係を固めてきています。とりわけ、ウズベキスタンが米軍の基地撤収を要求したことについて、両国関係が冷えきっていることの表れと見られています。その反面、ロシアのサンクトペテルブルクで開かれた中央アジア協力機構のサミットで指導者達がロシアとの友好関係を強めることにかつてない情熱を示したといいます。
中央アジア地域情勢に対し、アメリカはロシアと一部の中央アジア諸国との緊張関係を緩和させ、この地域の利益を守ることに努めています。専門家は「これこそがライス国務長官の中央アジア諸国訪問の本当の目的だ」と指摘しました。
ライス国務長官はキルギスの首都・ビシケクでの記者会見で「キルギスはロシアとアメリカの間で選択する必要はない。必要なのは他の隣国と良好な関係を結ぶことである」との立場を表明しました。キルギスのアカエフ大統領は「キルギスはカザフスタン、ウズベキスタン、中国、ロシアを含むすべての国と良好な関係を維持するとの考えを示しました。
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