イスラエル入植者が撤退した後、パレスチナ自治政府はガザ地区での支配権に強い影響力を持つ過激派ハマスからの厳しい挑戦に直面しています。そこで、今日はこのことについてお伝えしましょう。

　イスラエルのガザ地区撤退はこの地域でパレスチナ自治政府の信頼回復にとって絶好の機会を与えると見られています。イスラエル側は撤退した土地をパレスチナ自治政府に引渡し、国際社会もガザ地区復興に大量の資金を援助すると承諾しました。これはアッバス首相を始めとするパレスチナ自治政府のガザ地区での地位を大いに強化させ、ハマスなどの過激派のガザ地区での影響が弱まることが分かりました。

　しかし、ハマスはこのままでは済ませません。イスラエルがガザ地区から撤退する前後、ハマスはガザ地区で大規模な集会とデモ行進を数回に行い、イスラエル撤退を祝うと同時に、ハマスの軍事と政治的な実力を示そうとしています。ここ数日、ハマス指導者は連続し声明を発表し、「イスラエルのガザ地区での撤退はパレスチナ人民の武装闘争の勝利であり、ハマスはエルサレムとヨルダン川西岸が全部解放されるまで戦い続ける」との姿勢を表明しました。

　マスコミによりますと、ハマスのこれまでの行動から見れば、イスラエルが撤退した後、ハマスとパレスチナ自治政府がガザ地区への支配権をめぐって争うと見ています。

　ガザ地区の人口は150万人あまり、その中65％の住民が数次にわたるアラブとイスラエル戦争によって難民となり、失業率は45％に達しました。戦乱と貧困はハマスなどの過激派に発展の機会を提供しました。長期に亘って、ハマスは武装闘争を堅持すると同時に、貧困者を対象として社会福祉事業を行い、住民の支持をえるように努めています。世論調査によりますと、ガザ地区でのハマスの支持率は41％に達したとしてます。

　ハマスがガザ地区の支配権を競うことに対し、パレスチナ自治政府は断固とした反対しています。イスラエルが撤退する前にハマスはパレスチナ各派からなる連合委員会を設立し、イスラエル撤退後のガザ地区を共同管理することを提言しました。これに対し、パレスチナ自治政府は「われわれはガザ地区の唯一の権力機構であり、ハマスの提言は「別の中央政府を樹立するためだ」と指摘しました。

　イスラエルの政治評論家ルービンシュタインさんは「パレスチナ自治政府は効率かつ透明な政府が樹立できるかどうか、ガザ地区住民の就業と安全への願望を実現させられるかどうかは自治政府の信頼回復およびガザ地区の政治構成に重要な影響を及ぼすだろう」と指摘しました。