手術に先立ち仮想人間でシミュレーションする。薬の服用前に仮想人間で効果をテストする??。こうした夢が現実になりつつある。
南方医科大学は国のハイテク計画「863計画」の一環として、「デジタル化バーチャル人体に関する中核技術」の研究を手がける。同校が「現代臨床解剖学進展シンポジウム」で明らかにしたところによると、中国初の仮想人間の構築に向けたデータ集積はすでに終了し、研究は応用の段階に入った。これにより、宇宙航空技術からファッションデザイン、医学研究、軍事などの幅広い分野で、仮想人間モデルを利用したシミュレーションができるようになる。
仮想人間とは、コンピューター技術により、人体の構造をデジタル化したもの。スクリーンに表示し、調整することができる。南方医科大学は2003年初め、中国初の女性仮想人間のデータ集積を完了し、米国、韓国に次いで3番目の仮想人間データ保有国となった。中国の仮想人間データ集は計10体分。米・韓のバーチャル人間は骨格と筋肉までしか見えないが、中国版は血管の画像まで鮮明だ。
中国の男性仮想人間第1号のデータ提供者は、28歳の漢族の男性。湖南省の出身で、伝染病や代謝病の病歴はなく健康だったが、2002年4月に死亡し、遺志により遺体は科学研究のために献体された。男性第1号の画像解析度は2200万画素に達し、現時点では、世界トップの解析度を誇る仮想人間だ。(編集KS)
「人民網日本語版」
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