胡錦濤国家主席は7日午前、英国スコットランドのグレンイーグルズで主要8カ国（G8）と中国・インド・ブラジル・南アフリカ・メキシコの首脳による対話会に出席し、世界経済やミレニアム開発目標の実現、南北対話の強化、地球温暖化対策などの問題についてスピーチし、各国首脳と意見を交換した。この中で胡主席は多角的貿易体制の問題について、次のように述べた。

　現在、多角的貿易体制の発展は正念場にある。貿易障壁が絶えず現れ、貿易摩擦もしばしば生じている。特に保護貿易主義は深刻化している。これは多角的貿易体制の健全な発展にマイナスであり、世界経済の成長に新たな不確定要素をもたらしている。オープンで公正、合理的、透明、そして開放された差別なき多角的貿易体制が、地域貿易や世界貿易の安定的成長と世界経済の均衡・持続的発展にプラスであり、各国の利益に合致する。

　ドーハ・ラウンドは発展のラウンドだ。世界貿易機関（WTO）加盟国の85％が発展途上国だ。協議では発展途上国の発展水準と受容能力を十分に考慮し、特別な待遇により発展途上国に必要な政策的余地を残し、自国の国情に合った発展戦略を実施てきるようにするべきだ。ドーハ・ラウンドでは適切に貿易の自由化プロセスを推進し、市場開放を段階的に拡大するべきだ。われわれは第6回WTO閣僚級会議の成功を促し、2006年のドーハ・ラウンド妥結へ向けた敷石を敷くべきだ。われわれはチャンスを捉え、誠意を示し、対立点を除去し、共通認識を拡大し、柔軟で実務的な態度を取って、共に交渉プロセスを推進するべきだ。

　中国政府は多角的貿易体制の積極的な支持者であり参加者だ。2020年までに国内総生産（GDP）を2000年の4倍にあたる4兆ドル前後、1人あたり3千ドル前後に引き上げることが中国の成長目標だ。これは中国市場の規模と総需要が間もなく4倍になることを意味する。わたしは、この過程で世界各国がいずれも、中国の発展から成長のチャンスと巨大なビジネスチャンスを見出すことができると信じている。中国の発展は中国人民に幸福をもたらしただけでなく、世界各国にも発展のチャンスをもたらした。中国経済がたゆまず発展するにつれ、世界経済の成長に対する中国の貢献もたゆまず拡大していく。（編集NA）

「人民網日本語版」2005年7月8日