人類の発展史上、今日ほど、たくさんの人が都市部に生活するという現象はありませんでした。国連環境計画の統計によりますと、世界の人口の半分以上が都市部に住んでいます。世界各国の工業化プロセスが深まるにつれて、この数字もますます拡大しつつあります。2030年までに、世界の60％以上の人が都市部に住むようになるとのことです。

　人口が農村部から都市部へと移動することは、地球の自然環境に大きな影響を与えました。統計によりますと、現在都市部住民が世界の75％のエネルギーを使っています。このため、都市部の人口増加による環境、経済、社会のバランスが取れた発展の変化がますます重要視されなければなりません。

　都市化によるもう一つ重要な問題は環境汚染です。都市部では、車の排気ガスや工業生産および生活ゴミの焼却から出た多くの有害ガスが空気を汚染しました。このことから、都市部の空気の質はほかの地区と比べて、非常に悪化しています。先進国の都市部が、排出する温室効果ガスによって、世界の気候に大きな変化が生じています。工業用水および生活汚水の処理が適切でないため、水汚染がますますひどくなっています。世界で人口が100万以上の都市では、空気の悪さがあたりまえになり、このことが呼吸器系統の病気を起こす重要な原因の一つです。毎日、世界で6000人の子供が飲用水不足や衛生環境のよくないことに関連する病気で死亡しています。しかし、これら病気はすべて予防できるものばかりです。

　今年の世界環境デーのテーマについて、国連環境計画のクラウス・テプファー事務局長は、「都市は人類が生活している家であり、また人類の未来でもある。都市部の環境を保護することは人類の責任だ。"緑の都市を作り、地球を保護する"ことは警告であり、また承諾でもある。国際社会は都市の拡大をすべての人々に利益をもたらすことへと転化させる能力を持っている。先進国が世界に都市の持続的な発展を促進する手本となって、発展途上国に適切な発展の経験を与えるべきだ。ともに都市の長期的で持続可能な発展に尽力していきたい」と述べました。

　世界各国の人々が共に努力することによって、地球と現在及び未来の人々の生存を保つ生活様式が生まれると信じられなければなりません。そして、ますます多くの環境を守る都市が出て、人々は緑豊かな都市で子供を育てることができます。合理的な計画を通して、この夢は必ず実現できるものです。