大山(ダーシャン)は、中国では誰もが知っている外国人タレントです。もちろん中国語はぺらぺら。特技は中国の伝統芸能「京劇」、まさに「中国通」のタレントです。
本名はマーク・ロズウェル。カナダ・オンタリオ州生まれのカナダ人です。トロント大学で中国語を学びはじめ、卒業後は、北京大学で中国語学習を続けました。1980年代、中国でお笑い芸人としてデビュー。当時はまだ珍しかった外国人タレントとして注目を浴びました。最近は、中国語講座の番組の司会を担当したりコマーシャルに出演したりと活躍中です。
2008年の北京オリンピックでは、カナダ選手団の随行員に選ばれたほか、河南省開封市で行われた聖火リレーのランナーも担当しました。大山は「第2のふるさと・中国で行われた聖火リレーに参加できて、最高にうれしい。実は、私の祖父母は1920年代、河南省の商丘という町で暮らしていた。1922年から25年までの間、祖父は外科医として地元の病院で働いていた。このたびの聖火リレーでは祖父母を偲びながら走った。自分にとって、とても有意義なことだった」とランナーとしての心境を語りました。
この話を聞いて、祖父母の影響で中国語の勉強を始めたと思う人がいるかもしれません。しかし、実はそれが理由ではないようです。中国語を学び始めたきっかけについて、大山は「昔から、異文化というものに興味を持っていた。そこで、母国語とまったく違う言葉を身につけたいと思った。1984年、トロント大学で現代中国語という課程を選択した。4年生のとき北京大学の奨学金を得て、中国にわたることになった」と話してくれました。
大山は北京大学在学中、有名な漫才師にスカウトされ、漫才を始めました。初の外国人漫才師となり、すぐに人気者となりました。以降、日本の「紅白歌合戦」に当たるCCTV中国中央テレビの「春晩(春節のゆうべ)」という番組に何度も出演したり、ドラマや舞台劇にも出演するようになりました。
バイリンガルということもあって、近年は、北京オリンピックに関する仕事にも携わっています。そこで本人に、「今回のオリンピックで、カナダと中国とどちらのサポーターになるか?」という質問をしてみました。大山はこのように答えました。
「カナダと中国、それぞれ金メダルをいくつ取るかということには注目していない。オリンピックをひたすら楽しめばいいのではないだろうか。競技スケジュールをチェックしてみたら、カナダと中国が直接対戦する機会はあまりないようだし、それぞれの得意競技も違うから、どっちの味方になるかは決められない」とのこと。(編集:コオリ・ミン)
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