日本語題:過ぎにし年、迎えし年
英語題:A HAPPY NEW YEAR
【キャスト】
李保田(リー・バオティエン/父親役)
生年月日:1946年11月28日
出身地:江蘇省
出身校:中央戯劇学院 監督専攻
李保田(リー・バオティアン)という俳優はまだ、日本の皆さんにはなじみがないと思いますけど、彼は、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『揺阿揺,揺到外婆橋(上海ルージュ)』や『有話好好説(Keep cool)』などの作品で主演を務めていたことがあります。張芸謀(チャン・イーモウ)ファンには、彼の顔がよくわかると思います。彼は、実力派というよりは、個性派の男優で、最近、テレビドラマが中心で、あまり映画に出ていなかったようですが、この『馬背上的法庭(馬上の裁判所)』で久々に映画に出演しました。昨年で還暦を迎えた李保田(リー・バオティアン)はこの作品で、ベテランとしての貫禄を見せてくれました。
【主な出演映画】
『闖江湖』(1984)
『流浪漢与天鵝(サスライとハクチョウ)』(1985)
『人鬼情』(1987)
『荒原殺手』(1988)
『菊豆』(1990)
『過年(過ぎにし年、迎えし年)』(1991)
『葛老爺子』(1993)
『中国人』(1993)
『鳳凰琴』(1994)
『揺阿揺,揺到外婆橋(上海ルージュ)』:1994
『有話好好説(Keep cool』:1997
『離婚了、就別来找我』(1997)
『馬背上的法庭(馬上の法廷)』(2006)
趙麗蓉(チャオ・リーロン/母親役)
すでには亡くなっていますが、生前は全国的に人気の高い喜劇女優でした。
六小齢童(リウシャオリントン/長男役)
丁嘉莉(ティン・ジアリー/長男の妻役)
胡亞捷(フー・ヤージエ)
梁天(リアン・ティェン)
馬暁晴(マー・シャオチン)
葛優(グー・ヨゥ)
申軍誼(シェン・チュィンイー)
【スタッフ】
監督:黄健中(ホアン・ジェンジョン)
生年月日:1941年12月29日
出身地:福建省
インドネシア生まれで、1948年に帰国。早い時期は映画を多く手がけ、内外での受賞歴も多い。近年はドラマ界で活躍中。
【主な監督映画】
1982『如意』
1983『一葉小舟』
1984『二十六個姑娘』
1985『良家婦女』
1986『一個死者対生者的訪問』
1987『貞女』
1990『龍年警官』
1991『過年(過ぎにし年、迎えし年)』
【ストーリー】
東北地方のとある田舎が舞台です。旧正月がやってきました。田舎に暮らす両親と長男夫妻のもとへ、長女、次男、次女たちがそれぞれの連れ合いと一緒に帰ってきました。3人はみな、都会で生活しています。昔は仲の良かった兄弟たちですが、今は生活環境も違い、経済状態にも微妙な差が出ています。その違いなどをめぐり、せっかく集まった家族たちは大喧嘩を繰り広げ、ばらばらになってしまいます。改革開放に伴う農村部の変化を通して、中国の家族像を描き出した秀作です。
【レビュー】
「過年」という言葉は、中国語で、「新年を迎える」という意味です。ここでいう「新年」は、旧暦の新年、つまり春節のことです。「春節」は中国のお正月、もっとも大切な祝日です。ふだんは離れた街でバラバラに暮らしている家族も、この日は実家に帰り、いっしょに過ごします。家族が一堂に会する年に一度の貴重な機会になりますので、いろいろ感動的な物語が生まれます。
この作品は1991年公開ということで、かなり古い作品ですけど、毎年旧正月の時期になると、各テレビ局に放送リクエストが殺到するほど、お正月の定番映画の一つです。春節の雰囲気が思う存分楽しめる映画です。
監督は福建省出身の黄健中(ホアン・ジェンジョン)、「小花(戦場の花)」をはじめ、国民的な人気を誇る秀作を数々送り出しています。国際的にも評価されています。ちなみに、この作品は、1991年の秋、第4回東京国際映画祭でインターナショナル・コンペティションに出品され、審査員特別賞を受賞しました。また、母親役の趙麗蓉も最優秀女優賞を受賞しています。
日本でもDVDが販売されているようなので、機会があればぜひ見ていただきたいです。
機会があれば、ぜひチェックしてください。
|