落葉帰根(2007)
日本語題:原点回帰の旅
英語題:Getting Home
【キャスト】
趙本山(チャオ・ベンシャン)
中国のナンバーワンお笑い芸人。40代50代の人は、ほとんど彼のファンというくらい、人気があります。『劉老根』というドラマで主演したこともあり、その作品で起業に挑戦する農民を好演し、かなり話題となりました。今回の『落葉帰根(原点回帰の旅)』でも農村出身の男を演じていますが、お笑い芸人としての素質を十分発揮しながら、一農民としての素朴さも味わい深く表現しています。俳優・趙本山(チャオ・ベンシャン)の真骨頂といえます。
【スタッフ】
監督:張楊(チャン・ヤン)
1967年北京生まれ。中国戯劇学院・監督科出身。
張楊(チャン・ヤン)監督の作品は、日本のみなさんにもおなじみだと思います。1997年の『愛情麻辣湯(スパイシー・ラブスープ)』、99年の『洗澡(こころの湯)』、それから05年の『向日葵(胡同のひまわり)』がいずれも日本で公開されているからです。見ていて、ほのぼのとする映画ばかりで、特に、前作の『向日葵(胡同のひまわり)』は感動作でしたし、人情味あふれる作風で広く認められるようになりました。
【主な監督作品】
『愛情麻辣湯(スパイシーラブスープ)』:1997
『洗澡(こころの湯)』:1999
『昨天』:2001
『向日葵』:2005
『落葉帰根(原点回帰の旅)』:2007
【ストーリー】
この作品のタイトル『落葉帰根』とは、葉っぱが落ちたら根に帰るように、人間が死んだらふるさとに帰るという意味の有名な4字熟語です。この映画も、ある里帰りの旅を描いた物語です。
東北の農村から南部の深センに出稼ぎにやってきた老趙という50代の男が主人公です。ある日、出稼ぎ仲間の老王が工事現場で死んでしまいます。以前、老趙は老王とある約束をしていました。それは、「おまえが死んだら遺体は必ず故郷に送ってやる」というものでした。その約束を守るため、老趙は一人、老王の遺体を背負って、老王のふるさと・重慶への旅に出ます。しかし、老趙は、長距離バスのハイジャック事件に巻き込まれたり、旅館で全財産を盗まれたりと、大変な目にあいます。そんななか、老趙は、長い旅路でいろんな人と出会っていきます。
【レビュー】
張楊(チャン・ヤン)監督の待望の新作です。話によると、これは、実話をもとにした映画だそうです。監督がある記事を見て感動し、映画化したというわけです。笑わせて泣かせるタイプの社会派路線、張楊(チャン・ヤン)監督ならではの人情味が味わえます。
今回の作品『落葉帰根(原点回帰の旅)』では、中国で一番人気のあるお笑い芸人・趙本山(チャオ・ベンシャン)を起用したことで、今まで以上に喜劇の要素がかなり増えてるような気がしました。
趙本山(チャオ・ベンシャン)のほか、同じく喜劇が得意な宋丹丹、人気漫才師の郭徳綱、『好奇心は猫を殺す』で主演を務める胡軍、『クレージーストーン』主演の郭涛、それから、夏雨・寥凡・孫海英・劉金山など大陸の人気俳優が勢ぞろいです。それだけでも見応えのある作品かもしれません。
(編集:ミン亦氷)
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