日本でも話題となった陳凱歌(チェン・カイコー)監督の映画『無極(プロミス)』のロケが雲南省のシャングリラで行われた際、シャングリラの自然環境が破壊されたことを受けて、このたび、現地管理局が、この一帯での映画・ドラマの撮影を制限することを決めました。
映画やドラマのロケーションは非常に重要ですから、制作関係者にとっては厳しい決定となると見られています。しかし、中国ではここ2・3年、映画やテレビのロケで自然環境が破壊されるケースが増えており、世論ではこれを非難する声があがっていました。特に今回は、中国の秘境といわれるシャングリラの景観を汚したとして、人々の関心もとりわけ高かったようです。
現地の報道によりますと、陳凱歌監督の『無極』のロケが行われたあと、ロケ現場となったシャングリラの標高4000メートル地点の湖周辺には、セットがそのまま放置されていたり、弁当がらやペットボトルなどのゴミが散乱していたりしていたということです。
この問題は、地元当局と『無極』の制作関係者とのあいだでかなりもめていたようですが、最終的に、この一帯でのロケを今後制限することになりました。映画やドラマのロケを誘致することは、いい観光PRになるなどプラス面もありますが、今回の決定は、経済効果よりも環境保全を優先させる風潮の表れだと思われます。
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