台湾の新鋭ロック・バンド「強辯(チャンピオン)」は最近ファースト・アルバムをリリース、鮮烈なメジャーデビューを果たしました。
「強辯(チャンピオン)」は5人組のバンドです。ボーカルはイエロー・コー、ギターはフラワーとクロード、ベースはコーラ、そして、ドラムはモンキー。メジャーデビューは最近ですが、5人でバンドを結成したのは8年前だということです。
実はデビューまでの8年間、彼らは、台湾の人気ロックバンド・五月天(メイデイ)などのライブに同行するエンジニアの仕事をしながら、デビューを目指していました。ライブのエンジニアというと、ライブの前に、機材のセッティングや楽器のボリューム調節、キーあわせ、音声チェックなどをする人たちのことです。ロックバンドのライブツアーに常に同行しなければならないので、けっこう大変な仕事のようです。でも、そういう仕事の傍らで、バンド活動もやっていましたが、エンジニアの仕事だけではお金にならないので、アルバイトもしなければならなかったのです。バーやレストランで歌ったり、セールスマンや宅配便の仕事をしていたメンバーもいるそうです。だから、何度も解散の危機を経験したわけです。
「チャンピオン」のボーカル・イエローはメイデイのリーダー・モンスターのいとこで、このファーストアルバムも、モンスターが企画を担当し、メイデイのメンバーが曲作りやアレンジに携わっているのです。彼らの曲を聴いていても、どこかメイデイっぽいアレンジだなあと思いました。意外なつながりですが、実は、バンドを結成することになったのも、メイデイからの影響が大きかったようです。ボーカルのイエローと、ギターのフラワーに聞いてみました。
(インタビュー:イエローの話)
メイデイの皆さんとは同じ高校で、しかも先輩後輩の間柄なんです。彼らの影響を受け、そして、彼らにあこがれて、僕はまず、フラワーとバンド結成に向けて相談を始めました。それから、フラワーがメンバーを募集してくれたんです。
(インタビュー:フラワーの話)
イエローに頼まれて、メンバー募集をやったんです。まず、クラスメートのモンキーをドラムに迎えました。あと、当時、僕はある楽器屋でギターを教えていたのでのですが、その楽器屋でベースを教えていたのがコーラです。彼とは普段から親友だったのですが、もちろん彼もバンドに加わらないかと誘ってみました。それから、僕がギターを教えていたクロードにも声をかけました。こうして、5人がそろったわけなんです。
インタビューしたときも、お互いに冗談を言い合ったりして、とても仲のいいバンドだなと思いましたが、「チャンピオン」という強そうなバンド名も気になりました。その由来について、命名したギターのフラワーに教えてもらいました。
(インタビュー:フラワーの話)
バンドを結成するときに、バンド名を考えたのですが・・・やっぱり、最高のバンドを目指したいと思って、英語の「チャンピオン」という名前にしたんです。覚えやすいですしね。ところが、ボーカルのイエローはどうしてもうまく発音できなくて、「チャンピオン」が「チャンビエン」に聞こえるんですよ。「チャンビエン」っていうのは、中国語で「強がり」とか「意地っ張り」とかいう意味の言葉ですけど、その「チャンビエン」を中国語のバンド名にしました。僕たちもけっこう「強がり」で「意地っ張り」なところがあるから、ぴったりかなあと。ちなみに、「チャンビエン」って、聞き方によっては「強いバンド」っていう意味にも聞こえる。いろんな意味が込められたバンド名なんです。
バンド名のごとく、最強のバンドを目指して、これから、中国大陸100都市でプロモーション活動を展開していくとのことですから、これからの活躍が期待されます。
一方、彼らの音楽を聴いていると、わりと日本のロックバンドと系統が近いのかなあという気がしますが、話を伺うと、彼ら5人とも、日本のロックの影響も受けているようです。特に好きなのは、Mr.Childrenだということで、ボーカルのイエローは次のように語っていました。
(インタビュー:イエローの話)
5人ともMr.Childrenのファンなんですよ。アレンジがとてもシンプルなのに、心の内面世界をよく表現していると思います。特に、歌詞が魅力的だと思います。前向きな歌詞で、感動します。そういう音楽を、僕らも目指したいんです。聞いた人に、いろいろと考えてもらえるような音楽というか・・・感動を与えられる音楽を目指したいですね!
アーティスト特集、台湾のロックバンド、「強辯(チャンピオン)」をご紹介しました。「チャンピオン」、これからぜひ注目してください!(12/23)
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