8月30日、俳優・傅彪さんが肝臓ガンで亡くなりました。まだ42歳という若さでした。あと20日ほどで誕生日だったとのことで、本当に残念です。傅彪さんが末期ガンを宣告されたのは昨年の8月のことで、その後肝移植手術を行うなど闘病を続けていました。一時はメディアに復帰しましたが、その後病状が悪化して、8月21日から昏睡状態が続いていたということです。
傅彪さんは、1963年山東省の出身です。大学入試に失敗したことがきっかけで、中国の映画学校・北京電影学院へ進学して、演技の道を志すようになります。電影学院卒業後は、主に舞台で活躍していましたが、1990年代はじめから、テレビドラマや映画で活躍するようになりました。ドラマはかなり出演し、主な作品だけでも29作品出演しています。庶民的な脇役を演じさせるとうまい方でした。ここ最近は映画へも進出して、ファンを増やしていました。映画は全部で9作品出ていますが、日本で公開された作品もあります。たとえば、張芸謀監督の「上海ルージュ」や「至福のとき」などはご覧になった方がとても多いでしょう。
最近では、2002年馮小剛監督の「大碗」での演技が話題になっていました。俳優として油がのった時期だったのですが、昨年末の『天下無賊』という映画が最後の作品となってしまいました。肝臓移植手術を受けたあとに出演した作品でしたが、友人である女優・徐帆と演じた大金持ちの夫婦は絶妙でした。ゲスト出演ということでセリフも少なかったのですが、ファンの皆さんのなかには「無事回復してよかった」と安心していた方も多かったようです。
傅彪さんは、400日あまりの闘病生活を余儀なくされていましたが、闘病のあいだも演技への情熱を捨ててはいなかったようです。病気が治ったら、自分の闘病生活を描いたドラマを撮影し、それで得た収入で肝移植基金の設立を考えていたそうです。エイズに対する理解と支援のシンボルで「レッドリボン」というのがありますが、あんなふうに肝移植患者のためのシンボルも作りたかったそうです。そうした人柄が多くの人に慕われていたといいます。
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