ーー日中東北開発協会の渡里杉一郎特別顧問を尋ねてーー
渡里杉一郎さんは、東芝株式会社理事会、日中経済協会名誉顧問を歴任し、今、日中東北開発協会特別顧問を務めています。今年80歳で、中国東北地区と日本との交流を促進する事業に携わっています。9月2日、日中東北開発協会代表団を率いて第1回東北アジア博覧会に出席したことで、現場で今回の博覧会の感想や東北への投資について伺いました。
*今回中国訪問の目的は何でしょうか。
渡里:渡里杉一郎と申します。われわれの協会は、化学とか電気とかそれからいろんな貿易関係でサポートしています。今年4月、吉林省の王珉省長が東京へ来られて、「第1回吉林・東北アジア投資貿易博覧会をやるので、参加してほしい」という要請を受けました。それに答えて来たわけです。20名のメンバーと一緒に今回の博覧会に参加しにきました。
*長い間、中国全国での貿易経験があると思いますが、投資者の目から見て、長春市はどこが魅了的でしょうか
渡里:中国の各地で投資しています。今回も瀋陽から直接来ましたけれども、東北では特に大連、瀋陽というようにサポートして来ました。これから長春が始まるのではないか思います。昨日、長春の第一汽(中国第一汽車グループ)の工場を見学してきましたが、自動車関係とその部品関係、電子関係、バイオ関係も含めて、これから伸びるのではないかと思います。
*博覧会の会場をごらんになったと思いますが、ご感想はいかがでしょうか。
渡里:予想以上に各国からいろんな企業が出展しているし、北朝鮮も来ていますね。やっぱり吉林省の存在感を認識しました。
*中国東北での投資も見通しはどうでしょうか。
渡里:これからどんどん増えていくと思います。東北振興政策に沿って投資してきましたが、今後は遼寧省から吉林省に目が向けられるのではないかという実感がしました。
*長春市に対するイメージは?
渡里:長春へは3回目しか来ていませんが、町に緑が非常に多くて、空気がきれいなところが一番気に入っています。それに市の花は君子ランだそうですね。長春で21世紀向けての企業の有り方を象徴しているような感じも致しました。長春はこれから発展していき、21世紀の都市としての模範的な存在になるのではないかと思います。
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