北京
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中国国有原子力発電大手、中国核工業集団(中核集団)の田湾(中国東部、江蘇省連雲港市にある)原子力発電基地で23日、中国初の工業用原子力発電蒸気提供プロジェクトが着工しました。同プロジェクトは、中核集団が原子力総合利用分野で展開した新たな模索であり、中国のエネルギー構造の最適化と調整、クリーンで低炭素、安全かつ効率的な現代エネルギーシステムの構築に新たな見本を示しました。
同プロジェクトは、田湾原子力発電所3、4号機の蒸気熱を利用し、蒸気を連雲港石油化学産業基地まで輸送して工業生産に利用するというもので、2023年末に蒸気供給が始まる予定です。
加熱された工業蒸気は、隔離されたルートで輸送されるもので、原子力発電で提供される蒸気の清潔さと安全性が設計段階から確保されています。あらかじめ架空配管するなどにより蒸気保温措置を取り、1キロ当たりの温度損失を2度未満、圧力降下を0.03メガパスカル以内に抑えることができます。これにより、長距離輸送過程における蒸気温度と圧力の損失を効果的に抑え、連雲港石油化学産業基地の工業用蒸気のニーズを満たします。
プロジェクト完成後、年間の蒸気供給量は480万トンになり、標準石炭換算値で年間40万トン、二酸化炭素107万トン、二酸化硫黄184トン、窒素酸化物263トンの削減が実現します。(閣、柳川)